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ハイデルベルク大学留学体験記

日本から飛行機で12時間、さらにフランクフルト空港から電車で1時間。赤い屋根で統一された可愛い田舎町ハイデルベルクで1年間留学をしてきました。

初めてのドイツ、初めての留学、初めての一人暮らし…

沢山の初めてと共にスタートした留学生活は、ハプニングを含めすべてが新鮮で本当に濃い1年間になりました。

●どのようなことも「楽しむ」姿勢

今回の留学が私にとっての初めてのドイツだったこともあり、留学前にはインターネット等で情報を集め、ドイツのお店の営業時間や役所の対応等、起こりうる定番ハプニング(笑)を想定して心の準備をしてから留学に挑みました。もちろん実際にさまざまな体験をして心が折れそうになる時もありましたが、なるべく楽しむ余裕を持つように心がけました。というのも小さな日常のハプニングから多くのことを学び、新しい価値観に触れることができる貴重な機会だと考えていたからです。

ドイツに来て1ヶ月も経たないうちにdeutsche Bahn(Bahn Card二重購入のため)とdeutsche Post(日本から送った荷物が届かなかったため)に電話をしなくてはならないことがありましたが、「ドイツ語での初電話を楽しもう」とポジティブに捉え、日本語ができるドイツ人に敢えて頼らずに挑戦しました。まだ拙いドイツ語だったので3回ほど途中で電話を切られてしまったのですが、こちらの意図したことが通じたときの達成感は本当に大きかったです。すぐにバスに乗り込みスーパーでお気に入りのビールを買って一人でお祝いしました 🙂

また、私のアパートにはWi-Fiがなかったので自分で契約をする必要があったのですが、2年契約が基本だったためお店で門前払いをされてしまったこともありました。しかし何度も交渉をしにお店に足を運び、特別に安くWi-Fi契約を結ぶことができました。日本では企業内でマニュアルが統一されていて「規則第一」ということが多いですが、ドイツでは少し適当なところがある代わりに融通がきくのかな、なんて思います。

ものごとが上手く行かないからとか、自分の常識が通用しないからといってすぐにネガティブに捉えるのではなく、このように違いを楽しみ、さまざまな視点から考えながら行動することで同じハプニングでも全く違う経験になりうると思います。日本とは違い、お店が早く閉まってしまう代わりに、夕方の川沿いでは老若男女問わずゆったりとした時間を楽しんでいるなど… 実際に自分の目で見て考えることで、インターネットの情報だけでは分からなかったドイツを感じることができました。

Photo2

初めてのクリスマスマーケットは本当に素敵でした

●さまざまな出会い

この1年間で様々な出会いがあり、新しい価値観や文化の違い、知らなかったライフスタイルなどに触れる機会が多くありました。ドイツ人の友人はもちろん、全世界からのドイツ語学習者まで、ドイツ・ドイツ語をきっかけに私のコミュニティーが広がりました。

もちろん英語でコミュニケーションをとることも可能ですが、相手の母語や互いの学習中の言語で話したからこそ出会いも多かったです。ドイツ語しか話せない年配の方や、英語が話せない人とドイツ語で通じた時、「ドイツ語を勉強していてよかった」と心から思います。戦争の話などの過去の話を実際に経験した方達から聞けたことは本当に貴重でした。ホテルのチェックインの際にドイツ語で話したことで、フロントの人と仲良くなり部屋をグレードアップしてくれた… なんてこともありました。

またドイツで活躍されている日本人の方々との出会いも多くありました。外務省職員、通訳者、大学講師、音楽家、企業に勤めている方など… 様々なドイツとの関わり方やその人のライフスタイルを目で見て聞けたことによって、漠然としていた自分の将来も明確になりました。

  友人の家で大晦日のパーティー

友人の家で大晦日のパーティー

●ドイツでの学生生活

ハイデルベルク大学では留学生は、医学部を除く全ての学科の授業を履修できることもあり、自分の専門である国際政治学の他にも異文化間コミュニケーションやドイツ政治の授業など様々な授業を履修しました。また、世界で唯一マスターコースのある日独会議通訳の授業も聴講させてもらいました。

Seminar形式の授業はもちろん、講義形式の授業でも学生が主体となり質問や意見を交わしあう環境はなかなか日本の大学にはないことだと思います。日本の学生はその場に即した質問、熟考した末の意見を述べる傾向がありますが、ドイツの学生は思ったことはすぐ発言するため、時折「この場には合わないのではないかな」と思ってしまうような発言もあります。しかし、そこから話が発展してディスカッションが始まり、授業時間の半分くらいをその話題に費やし、結果として良い授業になったなんてことも多くありました。

もちろん全ての授業がドイツ語だったため、日本で勉強するよりも倍以上の時間がかかりましたが、平日は朝から夜まで勉強し、週末は遊び、メリハリをつけて生活をしていました。ほとんどのドイツの学生はバイトやサークル活動をしていないので、学業に専念している姿に刺激をもらいました。

週末も友人たちとブランチをしたり、ホームパーティーをするなどドイツの週末を満喫しました。

 友人とお好み焼きづくり

友人とお好み焼きづくり

周りの人に助けられながら充実した1年間の留学生活を送ることができ、本当に感謝しています。私も留学前は心配なことばかりだったので、私の経験がこれから留学する方々のために少しでも役に立てれば幸いです。私自身、留学はもちろんゴールではないので、この経験を活かし次に繋げられればと願っています。

(文・写真 上智大学 興津衣緒理さん

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