先週末から、いよいよアドヴェントが始まりました。
今年はちょっと特別なこぢんまりしたクリスマスマーケットに行き たいなあ……と探してて見つけたのが、「 王家のクリスマスマーケット」!日本でも「天空の城」 として話題を呼んでいる、 ホーエンツォレルン城を舞台にしたマーケットです!
ドイツ統一を果たしたプロイセンのホーエンツォレルン家ですがプロイセンの首都はベルリン、なぜ、南西ドイツに拠城があるの? という話は今回長くなるので割愛しますが、 もともとはホーエンツォレルン家発祥はこの地なのです。 フリードリッヒ・ヴィルヘルム4世が1819年に再建を誓い、 1867年、 ドイツ皇帝ヴィルヘルム1世のもとで完成したお城です。
20年前から、この城では毎年第1・第2アドヴェントの週末、 金〜日曜日までの6日間、 地元のお店を主体としたクリスマスマーケットを開催しています。 山の頂上に立つネオゴシック建築のお城というロケーションも気に なって、さっそく行ってみることにしました!
シュトゥットガルトから列車で約1時間。 最寄駅のヘヒンゲンに到着。
マーケット開催時の週末には、 駅からお城までシャトルバスが出ています。( だいたい13時から?30分おき) 急勾配の山道をのぼっていくと霧がでてきました。
やっと到着したお城の中庭も霧に包まれ、 下界に比べて一気に気温も下がっているよう。監視塔? に丸丸のプロイセン旗がはためき、城主の在城を示しています。
まずは、城を取り巻く森で獲れたジビエ(鹿、イノシシなど) のソーセージ&ワイルド・バーガーで腹ごしらえ。
写真はチュービンゲンから来たというカップル。 お城は何度も来たことがあるけれど、 クリスマスの雰囲気はやっぱり特別!だそう。
お城の中に入って行くと「家系樹の間」には大きなツリーが。
奥の「伯爵の大広間」にもスタンドが立ち並んでいます。 王室御用達のケーキ屋さんのシュトレン、 手作りの木工芸品やアクセサリー、 郷土料理に使う地元産のレンズ豆や、 ドイツにジャガイモを広めた功績者、 フリードリッヒ大王に敬意を評して(?)の「ポムフリッツ」 のお店など、40ほどの屋台が並んでいます。
17時、現城主のゲオルク・フリードリッヒ・フォン・ プロイセン王子が、いよいよマーケットの幕を開きます。
彼の代にはじめたということもあり、 毎年開幕の儀式を楽しみにしているという王子。 しかし今年は第4子の出産が11月末の予定で、 来れないかもと残念に思っていたそう。しかし11月17日、 予定より早く、第4子ハインリッヒ・フォン・プロイセンが誕生。 母子ともに健康で、暖かく王子を送り出してくれたそうです。
開幕式を締めくくるのは「ホーエンツォレルンの歌」。
ビデオ youtubeにアップしています。
VIDEO
歌詞を書いたプリントが配られるのですが、 見ずに歌っている人の多さにびっくり。マーケットの来場者に、 地元の常連さんが多いんですね。城下町ヘヒンゲンの人は、「 旅に出るとき、必ず城の写真を持って行く」そうですが、 声を合わせてこの曲を歌う姿に、 本当にこのお城は地元の誇りなんだなあと、実感しました。
続けて、みんなで「ハッピー・バースデー・クライネ・ ハインリッヒ」♪
スピーチで呼びかけるときは、「Königliche Hoheit 陛下!」と言われていたけれど、
ゲオルク・フリードリッヒ王子の気取らない人柄も、 愛される理由のひとつかもしれません。
開幕の前に「あ!あなたは王子では、、」と声をかけたら「 プロイセンです」と気さくに握手してくれました。そうか、 苗字プロイセンか!!
彼はベルリンで自活するビジネスマンなのです。
赤くライトアップされたお城の前で、グリューヴァインで乾杯!
屋台で販売されているものなどは、正直なところ、 もっともっと地元色や王家らしさ(?)が欲しいな〜 とも思ったのですが、それをさしひいても、 お城をバックに飲むグリューヴァインは格別!
ザウワークラウト& ショプフヌーデルンなどの地元料理でお腹をふくらませて。
冬にシュトゥットガルト方面に行かれる方には、 ぜひ足を伸ばして立ち寄ってみてほしいクリスマスマーケットです !
情報:
http://www.burg-hohenzollern.com/event/items/Weihnachtsmarkt.html
開催時間 2016年12月2〜4日 14:00〜20:00(金)11:00〜(土)〜19:00( 日)
入場料 10ユーロ 城入場料込み、16歳以下無料
(クリスマスマーケットの期間中、 青のサロンなど城内一部見学できない場所あり)
昼から開催していますが、 やっぱり日が落ちてからがなんともお城らしい雰囲気。
王子に会いたい方は、来年になりますがオープニングへ!
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河内秀子(かわちひでこ)
東京都出身。2000年からベルリン在住。
ベルリン美術大学在学中からライターとして活動。雑誌『Pen』 ウェブマガジン『think the earth』などでもベルリンやドイツの情報を発信しています。 趣味は漫画と美味しいごはん。Twitter(@ berlinbau)で『一日一独』ドイツの風景を1日1枚、 アップしています。
著者紹介
河内 秀子
東京都出身。2000年からベルリン在住。2003年、ベルリン美術大学在学中からライター、コーディネーターとして活動。雑誌『Pen』『derdiedas 』などでもベルリンやドイツの情報を発信させて頂いています。趣味は漫画と東ドイツとフォークが刺さったケーキの写真収集、食べ歩き。蚤の市やマンホール、コンクリ建築も大好物。Twitterで『#日々是独日』ドイツの風景を1日1枚、アップしています。@berlinbau