ポップコーンに“ドル札”、チアリーダー アメリカンなドイツのアメフト会場
連載「アクティブ ドイツ!」<13>
ノルトライン=ヴェストファーレン州では学校の夏休みが8月30日に明けて、ドルトムントの街は休暇モードが終了。8月下旬、ブンデスリーガからアマチュアリーグまでサッカーのシーズンも始まり、いよいよ通常運行感が出てきました――と、生活に根付いたサッカーはやっぱりドイツの国技なんだなと思い知らされます。以前ドイツでの野球を紹介しましたが、「サッカーだけじゃない! ドイツにもあるんです」シリーズ(?)として紹介すべくアメフト(アメリカンフットボール)の会場を訪れてみました。
2つのGFL国内リーグ
わたしも「フットボールのチケットあるよ」と聞いて初め、「(直訳すればフットボールのため)ん、Fußball? サッカー?」と勘違いしたほどドイツでは馴染みのないアメフト。ですがちゃんと「ジャーマン・フットボール・リーグ」(GFL)があるんです。リーグはGFLとGFL2の2つのレベル。GFLには16チーム、GFL2には15チームが存在しています。
チーム名を見てみると、「ニューヨーカー・ライオンズ・ブラウンシュヴァイク」「シュヴェービッシュ・ハル・ユニコーンズ」「サムスン・フランクフルト・ユニバース」と、どのチームも地名以外は英語。会場でも「最近あのチームにはアメリカから若いやつが入ってきて…」といったささやきが聞こえてくるなど、本場はやはりアメリカであることがわかります。
「デュッセルドルフ・パンサー」のホームで観戦
今回観戦の機会があったのは、GFL2リーグのトップ2を競い合う「ポツダム・ロイヤルズ」と「デュッセルドルフ・パンサー」の試合。メジャースポーツでないためそれほどの賑わいは期待していませんでしたが、野球の観客を遥かに上回る数の観客がデュッセルドルフ南部のパンサーのホームスタジアムへ集っていました。
スポーツ観戦といえば、まずはビールです。喉を潤すために必要だったのは、“パンサードラーズ”への両替。ドラーズのデザインもとってもアメリカンな香りがします。またビールのほかに売られていたものも、ホットドッグやポップコーンとアメリカ風でした。そのほか、パンサーの家族や関係者らしい女性や子どもが手作りケーキやスナックを販売していてとてもアットホーム。さらに全体的に陽気なムードで、サッカー試合会場とはまた違った世界が広がっていました。
肝心の試合は、ホームのパンサーが押されっぱなしの07対30。試合内容での盛り上がりには欠けましたが、観客は晴天の屋外会場を楽しんでいました。そして勢いのない選手たちに比べ、絶え間なく応援を続けるチアリーダーたちの元気が際立っていましたよ。頑張れ、パンサーの選手たち!