ドイツの国民的娯楽といえば? 選挙前には Wahl-O-Matをチェック!
いよいよドイツ総選挙まで1週間を切りました!
来週の日曜日、9月24日が投票日ですが、実に4割近くの人が、選挙直前まで迷っているのだそう。
そんな人たちにぴったりのネットサービスが「 Wahl-O-Mat 」!
自動選挙機ーとでも訳したら良いのでしょうか、有権者と政党の見解の一致度を測るボートマッチ・サイトです!
ユーザーが様々なテーマに関する38の政策方針にイエスノー形式で答えていくと、最後に自分と各政党の回答がどれくらい一致しているかを、ランキング形式で見ることができるのです。
2002年から、連邦政治教育センターが運営しています。
>ご興味ある方、ぜひお試しを。 Wahl-O-Mat (質問はドイツ語です)
今回は8月30日にスタートし、32の政党が参加しています。
初日午前中だけで閲覧数が380万と聞けば、この人気が実感できるかと思いますが、
「Wahl-O-Mat」を使ってよかった点は?という質問には、
楽しいからーという回答が85%、各政党の違いがはっきりしたー61% などの答えが。
いまや、選挙前の、国民的娯楽と言えるでしょう。
しかし娯楽視されているとはいえ、各政党にアンケートを送り、そこから個々のポジションを明確できる38個の政策方針を選び出してーと、しっかりとした裏付けと準備を経て作られているこのサイト、勉強にもなります。
今回話題になったのは、
質問13 「児童手当は、ドイツ人家庭にだけ与えられるべきである」
質問17 「ヨーロッパのユダヤ人虐殺は、これからもドイツの記憶文化の中心的要素であるべきだ」
質問29 「ドイツ連邦は、これからも極右主義に対抗するプロジェクトを支援すべきである」
えっ、そんな?いまさら?と思うような、多分いままでのドイツではあえて反対意見(や賛成意見)があるとも思っていなかったような、当たり前のことが問題視されているー ひしひしと右傾化の波が押し寄せてきていることを感じさせる質問でした。
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閑話休題。
ベルリンの選挙では、上記「Wahl-O-Mat」には出てこない、大きな争点があります。
それは
「テーゲル空港の存続」
「テーゲル空港の存続」
2007年に完成予定だった(こともある)ベルリン新空港、BERがいまだ完成していないのは、ご存知の方も多いかもしれません。
延び続けるオープニング予定日に、愛想をつかしているベルリン子も多く「もう、テーゲル空港でいいじゃん、近いし」という意見も多く聞かれます。
さらに、新空港がオープンしたところで、今後増え続けるお客をカバーすることは不可能だとわかり、オープン前から2040年の増築が予定されているという謎の話も出て「もうテーゲル空港も開けておけばいいじゃん、小さいけど」という意見も出てくるわけです。
あるアンケートによれば半数以上のベルリン人がテーゲル空港の存続を支持しているとか……
総選挙と同日、9月24日にテーゲル空港存続に対する市民投票も行われるのですが、そのトレンドに乗ったのがFDP(ドイツ自由民主党)。CDU(ドイツキリスト教民主同盟)やAfD(ドイツのための選択肢)も存続支持表明のポスターを作っています。
個人的には確かに近くて便利な空港だ、と思う反面、存続するためのコストや(70年代に建てられた空港はすでにボロボロ。本館のトイレは汚く小さいところが多いです)修復や拡張工事にまたお金がかかることを考えたら、やはり閉港がいいのだろうと思います。
町中にあるのは便利ですが騒音は大問題ですし、テーゲルの閉港を見込んで家を買った人も多いので、テーゲル空港存続を呼びかけるFDPのポスターへの落書きを、多く見かけました。
(テーゲル救世主(Tegelretter)をテーゲルに媚を売るやつ(Tegelnutte)と書き換えていたり。
9月24日は、色々なことが大きく動く日になりそうです。
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おまけ:
最後に、ドイツならでは?の風刺政党(Satirepartei)「Die Partei」のポスターをご紹介。
先日の市議会選では「ここにポスターを貼れます(ぶら下げられます)」という文章をもじって「ここにナチスをぶら下げられます」、なんてポスターを貼っていた彼ら。
今回は「選挙に行かない人のための政党です!」というキャンペーン広告を。
https://twitter.com/nicosemsrott/status/902063250304577536
「もし「“投票しない人”が議会に入れば、CDUより議員数は多いのです」
トルコ語っぽく書いた「カンツラー(首相)」ポスターとともに「ドイツ初のトルコ人連邦首相になる」と息巻くのは、カバレット(政治風刺芸人)のSerdar Somuncu。
そして、もう一つポスターは手描き&手作り、をうたう「Bergpartei」。
ずっと政党ポスター風の展示か?と思ってたんですが、実はとっても真面目な政党だったという(笑)
さあ、どの政党にどれくらい票が入るのか、、、ドキドキしながら、日曜日を待ちたいと思います。