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ベルリンでフリーランス生活4年を迎えてみて…

こんにちは!ベルリン在住のブロガーwasabi( wasabi_nomadik)です。

今月からYoung Germany上で「ベルリンでのフリーランス生活コラム」を書かせていただくことになりました。今回第一回目の記事ということで、少し私の自己紹介もさせていただこうかと思います!

 

私のフリーランサーとしての経歴

私は2015年の春、ワーキングホリデーを利用してベルリンにやってきました。その時はフリーランスの翻訳者として日本のウェブ媒体を中心に遠隔で主に翻訳の仕事をしていました。ライティングの仕事もしていたのですが、もっと自由に記事を書きたい!と思って自分でブログを開始。大学を卒業してから就職を経験しないまま海外に来てフリーランスになったというテーマで記事を書くようになり、TEDxYouth@Kobeへの登壇等を通じて働き方についてやドイツ生活の情報を発信するブロガーとしての動きも、翻訳やライティングとは別軸で徐々に仕事になっていきました。最近ではYouTubeでのドイツ生活配信もしています。

 

映像ディレクターの江部公美さんとベルリンで製作した動画

映像ディレクターの江部公美さんとベルリンで製作した動画

 

それからワーホリビザが切れるタイミングでフリーランスの翻訳者・ライターとしてフリーランスビザを申請し、ドイツに滞在する権利を1年獲得。その後「ドイツ文化をもっと知りたい!ドイツ語をもっと学びたい!」という気持ちからライプツィヒに引っ越して1年過ごします。

 

そこからベルリンに戻ってフリーランスビザを3年分延長することに成功し、現在に至ります。

 

自分自身のブログでもビザのことやフリーランスのことを書いていた経緯からベルリンでのフリーランスやビザについてのご相談をいただくことが多いのですが、実際に日常でどんなことを考えながらフリーランス生活をしているかについては今まであまり触れてこなかったので、今回Young Germanyでコラムを書かせていただくことになりました。

 

大学の課題をこなすような毎日から、完全な「自由」の日々へ

フリーランスや新しい働き方に対する認知度が高まっている昨今ですが、実際にフリーランスと呼ばれる人たちがどんな生活をしているのかはあまり知られていないと思います。私の場合、ドイツでフリーランスの仕事を始めたばかりの頃は「翻訳」と「ライティング」という「締め切り」の存在するクライアントワークが中心でしたので、「どんな生活をしているのか?」と聞かれれば「大学の課題をこなすような毎日を送っている」と答えていました。

 

大学生の時って、締め切りまでにレポートを書いて提出しますよね。締め切りまでに完成させればいいので、自分でスケジュールを組んで図書館やカフェでパソコンを広げて課題をしていた人も多いと思います。私がドイツに来たばかりの頃はちょうどそんな感じで、毎日締め切りに間に合うように仕事をしていました。

 

しかし、このスタイルで仕事をしていると自分が稼働していない時にはお金が入ってきません。もし体調不良などで寝込んで仕事ができなくなると困ります。そのため、仕事を自分だけでこなすのではなくてチームで承るようにしたり、自分が受けた仕事を他の人に発注してマージンを得るようなスタイルを取り入れることにしました。この頃にはブログとベルリン現地で培ったネットワークも幅広いものになっていたので、様々なお問い合わせに対して人を繋げることも仕事になっていきました。

 

仕事がこのスタイルになってくると、今まで自分が請け負っていた締め切り型のクライアントワークは自分の抱えるスタッフにお願いするようになり、私自身はスケジュールがとてもフレキシブルになりました。その状態になったところで、自分のクリエイティビティを広げるために新しい場所に出かけたり、新しいタイプの人たちと出会ったり、色々な新しいことに顔を出します。私的にこれは「インプット時期」だと思っています。

 

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この状態になるまで、私はアウトプットに専念してとにかく生産!をモットーに掲げてきたので、インプット時期に入るとその生活の変化が心境の変化に追いつかず、「これでいいのかな?自分は何がしたいのかな?」と悩むことになります。今までがむしゃらに走ってきた分、自分に時間の余裕ができると心に空白が空いたような気分になったのです。がむしゃらな時って「これしかない!」って気持ちで動いているので「これでいいのかな?」って考える余白がないんですよね。

 

しかし、人に話してみても同じ状況で悩んでいる人ってそんなにいないので、なかなか理解されにくかったりします。レールを外れた人生を歩んでいるからこそ、同じような経験をしている人も、相談できる人も圧倒的に少ないのだと気づかされました(笑)

 

なので自分にとってこの余白はけっこう辛いものでした。もちろん、この「自由」によって自分の視野が広がったり、普段はできない貴重な経験をしたり、純粋に今という時間を楽しむことを学んだり、自分の人生にとって大切なものをたくさん得たと思っています。しかし、実は2年くらいはこの「余白」に関して常にモヤモヤを感じ続けて、なかなか自分の中で解決しない時期が続きました。「余白」が「空虚」に近いものになっていきました。

 

実はこのモヤモヤ、今でも完全になくなったわけではないのです。

でも、様々なきっかけがあって考え方が変わっていきます。これを「自由」と捉えるか、「余白」と捉えるか、「空虚」と捉えるか、それはすべて自分次第。そしてそう思うことができるようになるきっかけがベルリン生活の中でたくさん起きます。

 

今後のコラムでは、こうした葛藤や悩みを抱えつつ進んでいく私の日常を振り返るような文章を書いていきたいと思っています。少しでもドイツでフリーランスをするリアルな空気感が伝われば幸いです。

著者紹介

wasabi

1991年7月1日生まれ東京出身。(本名:藤沢祐子)2014年獨協大学卒業後、新卒でフリーランスの日英翻訳家/ライターとして2015年春にベルリンに拠点を移して活動。現在は翻訳家・ライターとして各種メディアやブログを中心にドイツ移住情報やテクノロジーを使って楽しく生きる自身のノマドなライフスタイルやオピニオンを発信中。2016年2月にはTEDx Youth@Kobeへの登壇も果たし、自身のメッセージを国内外共に精力的に伝えている。

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