東京で出会える!?驚きのドイツ食文化(?)「#何故ドイツではケーキにフォークを横刺しにするのか問題」 第四弾!
目次
驚きのドイツ食文化(?)、「#何故ドイツではケーキにフォークを横刺しにするのか問題」第4弾は、南ドイツの森にある、あのケーキ!そして、なんと日本でも出会える!?日本でのフォーク刺しスポットをご紹介します!
みなさま、ぜひバレンタインデーにはフォーク刺しケーキをどうぞ!(?)
第一回ではいつから始まったのか?
第二回では、なぜ刺すのか?
第三回目は、「ドイツに行ってケーキを注文したのに刺さってなかった」「本当にあるの?」という疑問に答えるべく、フォーク刺し三大都市の人気スポットをご紹介しました。
第四回目は、現時点での考察まとめ。そして、「フォークを刺したケーキに出会いたいけど、ドイツになかなか行けない……」という方に!なんと!!日本でも出会える店があるんですよっ♡ そして、南ドイツの黒い森にある、シュヴァルツヴェルダー・キルシュトルテの謎のお作法もご紹介します!
「ケーキにフォークを刺す」ことの、何が(日本人にとって)驚きなのか?
「#何故ドイツではケーキにフォークを横刺しにするのか問題」は、逆に言えば、「何故日本人は、ケーキにフォークを横刺しにする事に驚くのか(ショックを受けるのか?」という問いでもあると思います。
ご飯にお箸を突き刺すのは、亡くなった人にお供えするための「枕箸」で、マナーに反する!と子どもの頃から言われてきたことが理由でしょうか。しかし、これまで「なんでフォークを刺すの?」と尋ねた時のドイツ人の反応を見るにつけ、ドイツ人自身も、ケーキにフォークを刺す行為はマナー違反と思っている節があるように思います。
ではなぜ、ドイツ人は、ケーキにフォークを刺すのかー? 刺さずにはいられないのか?
「それはそこにケーキがあるから」なのかもしれません。
「肉にナイフを刺す」は驚きなのか?
「バイエルンでは、プロイセンと違ってケーキにフォークを刺すなどという野蛮な行為は行わない」とのたまうバイエルンの名物に、「シュヴァインスハクセ」という豚のもも肉を丸焼きにした料理がありますが、これには、垂直に肉切りナイフを刺すのがお約束。
どっちが野蛮かは皆様の判断にお任せしたいところですが、インパクトはすごい!
でもケーキにフォーク、のような違和感は感じられません。
そもそも塊肉はその存在自体がワイルド。肉切りナイフの一つも刺すだろうと思わされます。
ということは、やはり「ケーキ」という繊細で美しい存在に、ケーキより長いフォークをぐさりと刺し、ケーキの完成された美を壊すという行為自体が、驚きの背景にあるのではないでしょうか。
ケーキの存在価値自体が揺らぐ行為とも言えます。
カレーソーセージに刺さって出てくる小さなフォークなどには全く違和感を感じないところを見ると、食べ物に対してのフォークの大きさも重要な点かもしれません。日本ではたこ焼きに爪楊枝が刺さっていますが、あれも特にマナー違反とは感じません。スペインではトルティーヤによく小さめのフォークが垂直刺しになっているのを見かけますが、気になりません。
日本で「#何故ドイツではケーキにフォークを横刺しにするのか問題」に出会いたい!
日本人が驚いてしまう、このタブー行為ですが、実はなんと!2年前に、日本でも、このタブーを破る店が堂々オープンしていました!
その名も「Buvette」!
2018年にオープンした東京ミッドタウン日比谷1階にある、おしゃれなお店。お店曰く「朝から夜までオールデイで愉しめる街のフレンチ食堂」のデザートに、なぜフォークが!?
東京に住む人たちからの情報をもらって、これは、突撃取材をしなければなるまい!と、一時帰国時に行ってきました!!ケーキを注文し、ドキドキしながら待つこと10分。運ばれてきたのは、透き通ったキャラメル色に輝くりんごの上に乗せたクリームの上から、ぐっさり垂直に刺さったフォーク、ではなく「タルトタタン」!
ドイツではおなじみのあのスタイルではないですか!!
「フォークが刺さってるんですね?」とお店の人に聞いてみると
「ハイッ、これは本国、ニューヨークのスタイルなんですよ〜」とのお答え。
ええっ、ニューヨークでは垂直フォーク刺しが定番??残念ながら(?)そのような事実はないのですが、確かにニューヨークの「Buvette」では刺さっているようです。そしてなんと、パリの「Buvette」でも!パリはどこもケーキにフォークは刺さっていないのに、なぜ、誰がここのお店でフォーク刺しを始めたのでしょうか。
もしや、アメリカに渡ったドイツ人だったりして、、?!
「Buvette」を始めたシェフは、イタリアで修行を積み、ニューヨークでもイタリア料理店で働いていたという方。ドイツでもイタリア料理店でデザートを注文すると、刺さっていることが多いので、まさか #何故ドイツではケーキにフォークを横刺しにするのか問題 はイタリア発祥?かとも思いましたが、残念ながらいまだ、確かめる術はありません。
今後も、調べていきたいと思います。
シュヴァルツヴェルダー・キルシュトルテ、謎のお作法
南ドイツ、バーデン=ヴュルテンベルク州にある、ドイツ最大級の森の一つ「黒い森」。なぜ「黒い」森なのかは、ローマ時代にまで遡ります。びっしりと木々が密集する深い森をローマ人は「silva nigra(森・黒い)」と名付けて恐れ、足を踏み入れなかったと言います。
この「黒い森」の名物として知られるのが、黒い森のさくらんぼケーキ!
チョコレートのスポンジ生地に、さくらんぼから作った香り高い蒸留酒、キルシュヴァッサーをたっぷり染み込ませ、さらに蒸留酒で香り付けしたクリームとサワーチェリーを挟んで重ね、最後にクリームで全面を覆って、削ったチョコレートとチェリーで飾り付けるというもの。素材に地元産のさくらんぼを使い、削ったチョコレートとチョコスポンジで「黒さ」を表現しているようです。
赤いポンポンがついた帽子が可愛らしい、黒い森の民族衣装から発想したともいわれているそう。
由来は詳しくは知られていませんが、その名前が、初めて書類に現れたのは1930年代のこと。いまやドイツ菓子を代表する存在として世界中に知られるようになりました。
黒い森のさくらんぼケーキを倒すと悪いことが起きる?!
さて、このケーキを初めてホールで頂いた時、切ろうとしたら
「切る時は気をつけて!ケーキがお皿に載せる時に倒れたら結婚できないっていうからね!」と注意されたのです。
「姑に恵まれない、じゃなかったっけ?」と別の友達。
黒い森で、このシュヴァルツヴェルダー・キルシュトルテの作り方を習った時、「生クリームの量はワンホールで3リットル」といわれて衝撃を受けましたが、生クリームをスポンジの間にたっぷり挟むので、ケーキ自体の高さも半端ではなく、普通のケーキよりも厚みをとって切らないと、バランスが悪くなって倒れること必須。
「ケーキを薄く切る→倒れる→ケチなやつと思われる→(義母に)嫌われる」?
「シュヴァルツヴェルダーキルシュトルテは、厚く切れよ」ってこと??
しかし実は、南ドイツでこのケーキを注文すると大抵倒れているのです。しかも倒した上からフォークが刺さっているのです!
これは横刺しというべきか、垂直刺しというべきか?
いまだ謎の風習です。
ちなみに、環境都市として知られる黒い森の都市、フライブルクは、実はフォーク刺し遭遇率が高い街でもあるのです!
フライブルクを訪ね、ケーキを頼むたびに毎回フォークが刺さったケーキに出会っています。。。北の港町ハンブルクから、南の黒い森の街、フライブルクまで、ドイツ全国区で広がっているこの「#何故ドイツではケーキにフォークを横刺しにするのか問題」。
しかしフライブルクから約30kmほど離れたフランス、アルザス地方に入ると突然フォークが刺されなくなるこの不思議。
今後も、ベルリンの名店や、国外のフォーク刺しのお店など、どんどんご紹介していきたいと思います!ぜひ、皆様も、ドイツに来て(もしくは、東京で?!)フォークを刺したケーキに出会ったら、ハッシュタグをつけてTwitterなどで発信して頂けたら嬉しいです!