【ドイツ郷土料理図鑑】東部ドイツ:スイーツ&ドリンク編
こんにちは。食いしん坊ライターの坪井です。今回はのびのびになっていた【ドイツ郷土料理図鑑】の完結編をお届けします。ドイツを4つに分けて、これまでに南、西、北、東部の郷土料理をお届けしてきまして、残すところは東部のスイーツ&ドリンク編のみとなりました。ドイツ東部(地図の緑色の部分)はドレスデンを筆頭においしい郷土菓子の宝庫で、あの有名なクリスマス菓子の故郷でもあるんです。
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それでは、ドイツ東部のスイーツ&ドリンク編、いってみましょう!
*地域ブランドとあるものは、EUの地理的表示保護制度により地域特産品として登録商品となっているものです。
ドライフルーツやナッツ、マジパン、バターをたっぷり練りこんだクリスマス菓子。その昔ザクセン公国では、クリスマスに宮廷に献上される特別なお菓子でした。発祥の地とされるドレスデンのものは商品登録されていて、毎冬開催されるシュトレン祭りも人気。
※地域ブランド
ザクセン地方名物のチーズケーキ。アイアは卵、シェッケはまだらという意味で、焼いたケーキの表面がまだらになることに由来するともいわれています。ドレスデンでは、スポンジ生地、チーズ(主にクヴァルク)、カスタードの3層からなっているものが多くみられます。
ザクセン地方の名物デザート。クヴァルクチーズとすりつぶしたじゃがいもの生地でつくる、ふんわりもっちり食感の小さなパンケーキ。りんごやバニラのソース、フルーツ、アイスが添えられることも。
「ライプツィヒのヒバリ」という意味の焼き菓子。昔はヒバリ料理だったものが、ヒバリ禁猟令が出たためにお菓子に姿を代えて残ったとされます。アーモンド風味の焼き菓子の中に、ヒバリの心臓をあらわすイチゴジャム入り。
「木のケーキ」という名の、日本であまりにも有名なドイツ銘菓。じつはドイツではあまりお目にかかれない特別なお菓子ですが、東部で比較的多く見られ、ザルツヴェーデルはバウムクーヘン発祥の町とされています。
小麦を使用したベルリンの白ビール。乳酸菌を加えて発酵させているためそのままだと酸味が強く、木苺の赤いシロップや香草の緑色のシロップで割って飲むのが一般的です。
※地域ブランド
塩とコリアンダーで風味付けしたビール。発祥地とされるゴスラーでビール純粋令に反するため製造できなくなり、東西分断時に旧東ドイツ(純粋令の適用外地域)となったライプツィヒで受け継がれたといわれています。フルーティで爽やかな味わい。
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あまり知られていないのですが、ドイツ東部はおいしいワインの生産地もあるんです。ドイツに13あるワイン生産地のほとんどがドイツ南西部に位置していますが、ドレスデン近郊を中心とした「ザクセン」とその西に位置する「ザーレ・ウンストルート」の2つの生産地は東部にあります。この地方のワインは多くが地元で消費されるため、他ではめったにお目にかかれない貴重なもの。ワイン愛好家たちが絶賛するすばらしいワインがたくさんあるので、この地方を訪れたならぜひお試しください!