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ニッポンとドイツ 「食事のマナー」

日独の文化の狭間にいる私ですが・・・

実はニッポン人とドイツ人が集まる場にいるのは「大変だなあ」と思うことがしばしばあります。

たとえば、食事をするとき、こんなことがあります。

全員の食事が出てくるまで頑なにジーっと待つドイツ人

仕事の合間に、ドイツ人と日本人の5、6人でレストランでランチをしたとしましょう。ランチの時間が「一時間」と限られていたり、ランチの後に会議が入っているなど、仕事が忙しい場合、日本人は仕事を優先する傾向にあります。だから、誰かの食事が早めに出てくると、日本人は「冷めちゃいますし、どうぞ先に召し上がってください」と勧めますし、言われた日本人も「では先に失礼します」と言いながら食べ始めるわけです。

こちらのYoutubeの1:50分のあたりのような感じですね。

ところが、私の経験だとドイツ人は頑なに「全員のランチがそろうまで、ジーっと待ち、自分の食事には手を付けない」人が多いです。それは子供の時に家でそう教育されてきたからですが・・・・私自身は「ランチの後に仕事が入っている時は、早く食べてほしい」と思うタイプです。貧乏暇なし、日本人化しているのでしょうか(笑)

でも実際に私が頼んだ料理が皆さんよりも先に出てきて、ランチの後の仕事のことも考えて先に食べ始める場合、「同席しているドイツ人に「育ちが悪い」「マナーが悪い」と思われているのではないか」が気になり、いろいろ考えてしまいランチを全く楽しめません(笑)

ちなみにこの「食事のマナー」のことを先日Twitterにアップしたところ、ドイツ在住の日本人の方から「食堂にドイツ人8人がいたけれど、全員が全員分の食事がそろうまで待っていたので、40分後、ほとんどの料理が冷めていた」というツイートが送られてまいりました。以下がそのツイートです。

 

お寿司屋さんでは、早く食べましょう

ところで、日本で欧米人(※)と一緒にお寿司屋さんに行くと・・・

お寿司屋さんで目の前に出されたネタを放置気味の人も多く、早く食べることを伝えるのは結構大変だったりします。「新鮮なうちにどうぞ」と言ってもあまりリアクションがよくなかったりします。

ドイツ人(※)もそうなのですが、「出された食べ物にはすぐに手を付けずに、いったんは放置して、話し続けるのがお行儀が良い」というスタイルというか感覚が染みついている人が多いように感じます。

でもお寿司は・・・・「鮮度が命」なので、お店のことも考えて、早く食べてあげてー!!!←と強く思います。

「お食事は皆がそろってからいただく」という考えはもちろん日本にもあります。でも日本人は食材の鮮度や「どうしたらその食材を美味しくいただけるか」ということも大切にしている気がします。たとえばラーメンだって、のびる前に食べたほうがおいしいわけです。だから早めにいただくのです。

あとは・・・冒頭にも登場した「仕事」ですね。やっぱり忙しい時は、食事はササっと食べて、仕事を優先する日本人が多い気がします。

ニッポンとドイツ。食事ひとつでも色んな違いが見えてきますね。

次回もまた「食事とマナー」について書きます。

サンドラ・ヘフェリン

※「欧米人」「ドイツ人」といっても色んな人がいますから、全員がそうとは限りません。ただ日本の事情にあまり詳しくない人の場合、その「傾向」が強いのは確かです。

著者紹介

サンドラ・ヘフェリン

ドイツ・ミュンヘン出身。日本歴19年、著書に「ハーフが美人なんて妄想ですから!!」(中公新書ラクレ) 、「ニッポン在住ハーフな私の切実で笑える100のモンダイ』(原作: サンドラ・ヘフェリン、漫画: ヒラマツオ/KADOKAWA)、「『小顔』ってニホンではホメ言葉なんだ!?~ドイツ人が驚く日本の「日常」~」(原作: サンドラ・ヘフェリン、漫画: 流水りんこ/KKベストセラーズ)」など計11冊。自身が日独ハーフであることから、≪ハーフはナニジン?≫、≪ハーフとバイリンガル教育≫、≪ハーフと日本のいじめ問題≫など「多文化共生」をテーマに執筆活動をしている。ホームページ 「ハーフを考えよう!」 を運営。趣味は時事トピックについてディベートすること、カラオケ、散歩。

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