ゲーテ街道の美味しい旅③バロックの町フルダ
ゲーテ街道8都市を西から東へ訪ねるグルメ旅。第3回目はゲーテが旅の途中でよく立ち寄ったバロックの町フルダ。名物パンやソーセージ、グルメレストランのゲーテメニューなど美味しいものを食べ歩きました。
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第2回:ゲーテ街道グルメ旅②『若きウェルテルの悩み』の舞台 ヴェッツラー
ヴェッツラーから電車に乗って約2時間。やってきたのは、ドイツのほぼ中央に位置するフルダ。日本ではあまり知られていませんが、ドイツのキリスト教の歴史においてはとても重要な町です。この地にドイツ最古のベネディクト修道院を創立し、キリスト教を広めた宣教師、ボニファティウス。ドイツの守護聖人となった彼は、バロックの傑作建築と名高い大聖堂の地下に眠っています。そのため、フルダは多くの巡礼者が訪れる宗教都市として発展してきたのでした。
聖ボニファティウスは、フルダのシンボルともいえる存在で、信号機のマークにもなっているんです。ボニファティウス信号は大聖堂周辺のバロック地区で見られるので、フルダを訪れたらぜひ探してみてください。この信号機のデザインはエコバッグなどのグッズにも使われていて、お土産に人気です。
バロック地区で見逃せないのが、大聖堂の向かいに建つ市宮殿。
かつて司教の邸宅だったこの建物は、現在は市役所として使われ、一部見学することができます。フレスコ画が圧巻の大広間は、市議会場にもなるのだとか。こんな美しい宮殿で会議が行われるなんて、まるで映画のようですよね。
さて、そろそろランチタイム。
地元のガイドさんに、「フルダの人たちに人気の美味しいものは?」と聞くと、「ソーセージ!」と即答。彼女によれば、近隣農家が集まる市場のビオのソーセージがおすすめなのだとか。この市場は週に一度、木曜日だけ開かれるそうですが、ちょうどこの日は木曜日だったのです!なんと幸運なことでしょうか!!
店じまい直前の、ぎりぎりセーフでありつけた最後の1本。じゅうじゅう焼かれた香ばしいソーセージにかぶりつくと、肉汁がじゅわ~っと口の中に広がりました。これまでにドイツ各地で様々なソーセージを食べてきましたが、これは私の中で暫定トップを争う美味しさです。ヘッセン州の名物ドリンク、アップルワインがこれまたフレッシュで美味しく、最高の組合せ。人情味あふれる屋台のご夫婦とともに、忘れられない味となりました。(今も書きながら思い出してよだれが出そうになってます)
やはり美味しいものは、地元の人に聞くのが一番ですね。
フルダは、歴史的なバロック建築物が建つバロック地区が有名ですが、すぐそばには、美しい木組み家屋が残る旧市街が広がっています。
裏通りを散策中に、老舗のパン屋さんを見つけたのでおじゃましてみました。
フルダのパンは伝統的にキャラウェイ(ドイツ語でKümmel)が多く使われるのが特徴なのだそう。大型のライ麦パンや小型のブロートヒェン、薄いクラッカー風など色んな種類がありました。爽やかなハーブの風味が後を引きます。
夜は、ゲーテゆかりのホテル・レストランで、「ゲーテ・メニュー」をいただきました。
ゲーテは、フランクフルトからワイマールの旅の途中で、中間地点だったフルダに度々滞在したそうです。
素晴らしい料理とサービスに大感動。ここでは店名を出せないため、また別の機会にじっくりご紹介したいと思います!