ハロウィンよりランタン!ドイツの秋の行事、聖マルティン祭
すっかり秋らしくなってきました。
先日、約3ヶ月半越しにドイツから船便で送った大量の荷物がやっと届き、家の中は見事に段ボールでギュウギュウに。数ある段ボールの中から冬服を探し出し、引っ張り出すことに成功しました。
久しぶりの日本の夏はあまりにも暑くて、「夏だけでもドイツにいたいかも…」と思ってしまうこともありましたが、ドイツはこれから長い冬の始まりです。
そしてドイツのこの時期といえば、毎年11月11日に行われる「聖マルティン祭(St. Martinstag)」。
今回はいろいろな写真を振り返りながら聖マルティン祭についてお伝えします。
聖マルティン祭(St. Martinstag)とは
聖マルティン祭は、マルティンというキリスト教の聖人を称える祝祭の日です。ローマ軍の兵士であったマルティンはとても慈悲深い人で、ある雪の降るとても寒い日、破れた服を着て凍えている物乞いに自分の赤いマントを剣で二つに切り、半分を分け与えたという非常に有名な逸話があります(実はその物乞いはイエス・キリストだったのではないかとも言われています)。その後、彼は軍隊を出てキリスト教の洗礼を受け、司教となり布教活動を行ったり、貧しい人々を助けたりしました。そんな彼を祝うのが「聖マルティン祭」です。
ドイツでは、日本と同じように10月末になると、子どもたちが仮装して幼稚園に行ったりとハロウィンを楽しみますが、聖マルティン祭は街や村全体でお祝いされ、大切にされている行事なのだと感じました。
子どもたちとランタンと歌
聖マルティン祭の数週間前から、幼稚園や小学校では聖マルティンの歌を歌ったり、ランタン作りが始まります。
代表的な曲はこちらの2曲。息子たちも秋になると幼稚園で覚え、家でもよく歌っていました。(画像下の曲名を押すとyoutubeに飛んで曲が聴けます)
そして毎年恒例のランタン作り。息子たちもいろんなランタンを幼稚園で作って見せてくれました。
ハリネズミや車、月など…。電池で光るスティックタイプが主流だと思いますが、転園した幼稚園では小さなライトを入れた手提げタイプのランタンが完成。ランタンのクオリティは幼稚園によってだいぶ違いがありそうです(笑)。
聖マルティン祭当日
歌も覚え、ランタンも完成して準備万端、ついに当日です。ドイツの11月はもう寒い!みんな分厚いダウンに、手袋・マフラー・ニット帽の完全防寒。当日は保護者も参加します。
いろんな方のブログなどを読んでいると、「当日は聖マルティンの劇を観た後、本物の馬に乗ったマルティンの後ろを子どもたちが列を作って歌を歌いながら街を練り歩きます。近所の家を訪ねてお菓子をもらいに来ることもあるため、小さなお菓子を用意しておいた」、などと書かれていますが、私が住んでいたところでは、本物の馬に乗ったマルティンもお菓子をもらいに行く子どもたちも見たことがありませんでした。大きな都市ではもっと盛大にお祝いされているのかもしれません。
私が知っている幼稚園で行われた聖マルティン祭は、
・夕方幼稚園(外)に集まってみんなで歌を歌う
・ランタンを灯しながら村や街を列を作ってぞろぞろと歩く
・ゴール地点につくと、焚き火がしてあったり、パンや大人は温かいワインなどををもらう、少し雑談
・解散
といった流れです。
夕方、子どもたちがキャッキャと言いながら、ランタンの光が列を作って揺れているのがとても可愛く幻想的で綺麗でした。3歳の頃初めてランタン祭りに参加した次男は、ゴール地点で抱っこしてあげると寒さと疲れでそのまま寝落ちしてしまい、家まで抱っこして帰ることに。ベビーカーを持って行ってなかったことを激しく後悔。次は歩いて帰れるかな?もし秋にドイツを訪れるなら11月11日前後、夕方外に出てみてください。子ども達がランタンを持って歩く光景に出会うことができるかもしれません。