2025 ADACVelotour

ADAC Velotourとは

2025年5月1日、ドイツ・ヘッセン州のエシュボルンとフランクフルトを舞台に、「ADAC Velotour 2025」が開催されました。毎年メーデーに開催されるこのイベントは、プロレース「Eschborn-Frankfurt」と同日に行われ、一般参加者がプロと同じコースを走行できる貴重な機会として、毎年多くの参加者が集まります。
今年のADAC Velotourには、過去最多となる10,000人のサイクリストが参加し、3つの異なるコースに挑戦しました。最も人気を集めたのは、全長103km、標高差1,550mの「Taunus Classic」で、参加者の約75%がこのコースを選択。標高800mのFeldbergやMammolshainer Stichの激坂など、プロレースでも使用される名所を含むルートで、参加者は本格的な山岳コースに挑みます。
他にも、全長92kmの「Taunus Express」こっちはMammolsheimの激坂がないバージョンや、フランクフルト市内を巡る40kmの平坦な「Skyline」コースが用意され、初心者から経験者まで、自分のレベルに合わせたコースを登録時に選ぶことが可能になっています。
大会当日は快晴に恵まれ、沿道には多くの観客が詰めかけ、参加者を熱心に応援。また、フランクフルトのオペラ広場では「Radklassiker Expo」が開催され、飲食ブースやステージイベント、自転車の展示、抽選会などをレースに参加しない人も楽しめます。
去年までは自動車メーカーのSkodaがメインスポンサーでしたが、今年からADAC(ドイツ自動車クラブ)が大会のタイトルスポンサーとなり、イベントの運営やサポート体制がさらに強化されました。ADACは、スタート地点に10か所の自転車サービスステーションを設置し、参加者の最終チェックをサポート。
また、コース上には2か所のパンク修理ポイントとエイドを設け、万が一のトラブルにも迅速に対応しました。
さらに、ADACは子ども向けの自転車スキルパークや、E-スクーターやE-カートの試乗体験、車の横転シミュレーターなど、多彩なアクティビティを提供し、家族連れにも楽しめるイベントとなりました。
レース本番
コースは40km、93km、103kmの3種類で、距離が長くなると参加費用も高くなっていきます
わたしは最長距離の103kmに登録し、110ユーロの参加費用でした。
103kmに登録しておけばレースの途中で気分や体調に合わせて短いコースに変更することも可能です。
その逆はできません。
電車でスタート地点まで行くのが1番いいのですが、1万人の参加者が同じ時間に自転車を持って移動するので激混みで乗れないのは明らか、
なので車に自転車を積み込んで近くまで移動しました。

同じことを考えてる人も沢山いて、路駐して自転車の整備をしてる参加者を見かけました。
スタートはブロックに分かれていて、わたしはDブロック。
Aブロックとか前の方のブロックはガチ勢がいるので、違うブロックの選手が紛れているとしっかうになるらしく、チェックは厳しいらしいです。
実際少し後ろに位置するDブロックはチェックは全くありませんでした。
スタート後は密集してるのであまり飛ばせないと思ってましたが、皆さん結構なペースで走っていきます。
ドイツ人はみんな自転車のスピードが速いです。
しばらくしてフランクフルト市街地に入ると、全く車がいない景色が新鮮で、私のテンションもペースも上がるので、「あーみんなこういうテンションなのか」と納得しました。
フランクフルトを抜けた後は山登りです。
いつもはマウンテンバイクで登っていて、ロードバイクで登るのは久しぶり。
途中には応援してくれるギャラリーもいて、声援を送ってくれます。
地元の音楽隊もトラックで乗り付けて、ミニオーケストラで応援してくれてたのでとても元気をもらいました。


これだけ自転車が集まってると壮観です。
ここにある自転車全部売ったらいくらになるんでしょうかね!
ここまではなんとか写真を撮る余裕もあったのですが、予想以上にこの山で体力を消耗してしまい、ここからは本当にキツくて自転車を漕ぐので一杯一杯でした。
登った後は降るので、下りが得意な私は水を得た魚のように降ります。
途中で何人かの選手が落車してメディックに救助されているのをみかけました。
1つ酷い落車があって、救急車が登ってきてたので道を開けます。
レースも終盤に差し掛かって、体力が限界にきてる頃にTaunus Classicに登録してる選手はMammolsheimの激坂に差し掛かります。
フレッシュな状態なら少しきついくらいの坂なのですが、100km近くを走破した後では拷問です。
スキップすることも可能なのですが、せっかく参加費を払ってるので私はそんなことはしません。
壁のような坂が心を折ろうと攻撃してきますが、ギャラリーの声援のおかげて必死の形相で鼻水垂らしながら足をつくことなく登りきりました。
登り切ると後はゴールまで下るだけ。
ゴール後は完走のメダルをもらえるのですが、行列が凄まじかったので諦めて帰宅しました。
大会の結果も注目されました。「Taunus Classic」では、男子の部でMoritz Palm選手、女子の部でPia Moritz選手が優勝。
タイムは2時間30分ほど、私が4時間だったので、彼らは化け物です、一般参加でこれって笑えます。
また、Feldbergの登坂タイムを競う「TISSOT Bergkönig/Bergkönigin」では、男子のTim Jäger選手が25分18秒、女子のLisa Forster選手が29分11秒で頂上に到達し、それぞれのタイトルを獲得しました。
まさに超人ですね。
ADAC Velotourは、プロレースと同じコースを走行できる希少なイベントとして、年々人気が高まっていて参加者も増えています。
2026年の大会に参加を希望する方は、公式サイトで事前登録を行うことで、早期の情報提供や優先的なエントリーが可能となります。
人数制限があるので、参加を予定している人は早めの登録をお勧めします。
自転車を愛するすべての人にとって、ADAC Velotourは一度は体験したい夢の舞台。来年の開催に向けて、今から準備を始めてみてはいかがでしょうか。