ドイツパンの世界②菓子パン系

目次
世界一パンの種類が多い国、ドイツ。その数はなんと約3000種類にものぼります。ライ麦パンなどハード系についてお伝えした前回に続き、今回は柔らかいパンや甘いパンを紹介します。
ドイツは菓子パンも豊富
ドイツパンというと、「固くて酸っぱい」イメージが強いのではないでしょうか。
これはライ麦が使われることが多いから。
発酵にライ麦から作られたサワー種が使われるパンには、独特の香りと酸味があるのが特徴です。
ライ麦パンなどハード系ドイツパンについては前回の記事でお伝えしました。
ドイツパンは酸味のあるハード系ばかりでなく、じつは甘いパンもバラエティ豊富。
小麦とイーストで作るふわふわのドーナツやデニッシュなど、スイーツみたいなパンもポピュラーで、私も朝食やおやつによく食べています。
たくさんある菓子パンのなかから、ドイツならではの定番や、おすすめのパンを紹介しましょう。
<<ドイツでおすすめの菓子パン>>
※パンの名前は地域やお店によって異なることがあります。
ベルリーナー Berliner

ドイツでおなじみのジャム入り揚げパン。
ベルリンではプファンクーヘン、ドイツ南部ではクラプフェン、そのほかの地域では一般的にベルリーナーと呼ばれます。
外側には粉糖やグラニュー糖がたっぷりまぶされていかにも甘そうですが、意外と軽やかで1個ぺろりと食べられます。(※個人差はあると思います)
パン屋さんやスーパーなどで一年中買えますが、元々はカーニバルや年末の祝いパンでした。
カーニバルが盛んな地域では、シーズンになるとカラフルに仮装したベルリーナーが登場します。
クラプフェン Krapfen

こちらも地域によって少し違いがある揚げパン。
私がドイツ西部でよく食べているのは、ラム漬けのレーズンが入っています。
見た目は岩のようにゴツゴツしていますが、中は空洞が多くふわふわで軽い食感が楽しめます。
クヴァークベルヒェン Quarkbällchen

クヴァーク(クワルク)はドイツのフレッシュチーズ、ベルヒェンは小さなボールという意味で、クヴァーク入りの生地を揚げたドーナツです。
しっとりもちっとしていて、ちょっとつまみたい時にぴったりの小さめサイズ。
クリスマスマーケットやイベントの屋台でもよく見かけます。
モーンシュネッケ Mohnschnecke

ドイツ語でモーンはケシの実、シュネッケはカタツムリの意味。
カタツムリのような渦巻き型の生地にけしの実ペーストをのせたデニッシュです。
ドイツでは、パンにもお菓子にもけしの実がよく使われます。
プディングプルンダー Puddingplunder

ブレッツェル型のデニッシュにバニラ入りプディングクリームをたっぷりのせた、食べごたえのある菓子パン。
プディングとは、もったりとしたカスタードのようなクリーム。
ちなみに、スーパーなどで売られているプリン(のような形の商品)もプディングという名ですが、私たちがイメージする日本のプリンとは別物なのでご注意を。
ドイツに来たばかりの頃、プリンだと思い喜んで買ったらクリーム状でびっくりしました。
シュトゥーテン Stuten

小麦粉主体の生地にイーストを加えた柔らかいパン。
バターミルクやレーズン入りでほんのりと甘いのが特徴です。
ナッツや様々なドライフルーツを加えたリッチなパンはヴォッヘンエンデ(週末)シュトゥーテンとも呼ばれます。
フランツブロートヒェン Franazbrötchen

ぺちゃんこクロワッサンことフランツブロートヒェンはハンブルク名物として有名ですが、最近はほかの地域でもよく見かけるようになりました。
つぶれた形をしている理由は、ナポレオン占領時代にクロワッサンを作ろうとして失敗した説ほか諸説ささやかれています。
バターたっぷりのシナモンロールのような味わいで、コーヒーにぴったり。
ハンブルクの専門店では、フルーツやナッツのトッピングなど様々なバリエーションがみられます。
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知れば知るほど奥深い、ドイツパンの世界。
今回は菓子パン編をお伝えしました。
ドイツにはこのほかにもたくさんの菓子パンがありますので、いろいろと試してみてくださいね。