宿題も学童もない?ドイツの子どもたちと夏休み

「暑い・・・」。
一日に何回言っているのだろう。
ほぼ毎日、熱中症警戒アラートが発表されていますね。
ドイツで生活をしていた頃は、家にエアコンもなく、朝早くと夕方に窓を全開にして涼しい空気を家の中に入れていました。日本の夏は、朝も夜も暑すぎて窓を開けることがほとんどないので、ドイツ人の大好きなFrische Luft(新鮮な空気)を入れる機会が極端に少なくなってしまいました。
夏休みに入った子どもたち。今回はドイツの夏と子どもたちについて書いていきたいと思います。
好きだったドイツの夏の雰囲気
ドイツで約7年間生活をしていたのですが、ドイツ生活の中で好きだったことの一つが「夏の雰囲気」。ドイツでは、夏休みに入った子どもたちだけでなく、多くの大人も2〜3週間の休暇を取ります。
夏休み前になると「夏休みどこに行くの?」が定番の質問もしくはトピックに。質問をする側も、どこかに旅行に行くことを前提として聞いていて、実際にみんな何かしら旅行の計画があることがほとんど。行き先はイタリアやスペインなどのヨーロッパ圏が多く、しかも移動は車。運転が苦手な私にとって、イタリアまで車で移動するなんて考えられませんでした。笑
夏になると、子どもたちだけでなく全体が「夏休み」のような雰囲気が「なんかいいなあ」と毎年感じていました。夏の間ドイツ人にメールをすると、「◯月◯日まで不在です。」とすぐに自動返信メールが返ってくることがよくあります。
夏休みの宿題
州によって多少の違いはあるかもしれませんが、原則ドイツの小学生には夏休みの宿題がありません。ドイツにとって夏休みは「休養をする期間、家族との時間を過ごす期間」という考え方。もしかしたら家庭によっては、親が自主的に復習やワークを少しやらせることがあるかもしれませんが、学校からの指示ではないので成績には一切関係しません。
今の日本の小学生たちもやっている夏休みの「朝顔の観察」。私にとっても、子どもの頃の夏休みの思い出のひとつです。でも、長期間旅行に出かけることが多いドイツの子どもたちには、ちょっと向いていない宿題かもしれません。笑
隣の州はもうお休み?夏休みのズレ事情
ドイツでは、夏休みの始まりと終わりが州によって異なります。これは、旅行シーズンの混雑を少しでも緩和するための工夫。電車や空港、高速道路がパンクしないように配慮されています。日本でも是非取り入れてみてほしい・・・。
2025年の州別の夏休み期間はこのようになっています。
早いところでは7月1日から、バイエルン州では8月1日からというように、1ヶ月のずれが出ている州も。(こちらのサイトから確認できます)

Ferienkorridor(フェーリエンコリドール)とは?
Ferienkorridor(フェーリエンコリドール)とは、ドイツの16の州が夏休みを州ごとにずらして設定できる期間の枠(コリドール=回廊)のこと。フェーリエンコリドールには課題や問題点もあると言われています。
・ 理論上は94日間あるのに、実際には使われていない日が多い。(2025~2028年は80日間の利用にとどまる見込み)つまり、夏休みが一部の州に偏りがちで、結局混雑を避けることができていないという指摘。
・ 「もっと広い範囲で日程をばらけさせれば、旅行時の交通渋滞をもっと減らすことができる」というADAC(ドイツ自動車連盟)からの批判的な意見。
Sommercamp(サマーキャンプ)
子どもたちの夏休みが約6週間。でも親の休暇はたいてい2〜3週間ほど。「残り期間、子どもたちはどうしているんだろう?」と気になり、義母に聞いてみました。
「ドイツは日本みたいに学童が整ってるわけじゃないの。地域によっては無いところもあるし。だから、両親が休みをずらして交代で世話したり、友達同士で預け合ったり、祖父母にお願いすることも多いと思うわ。」とのこと。
さらに、サマーキャンプに参加する子も多いそうです。実際、夫も10歳くらいの時にキャンプに参加したことがあるらしい。これらのサマーキャンプは学校ではなく、教会やスポーツクラブ、自治体、NPOなどが主催しています。内容もさまざまで、ハイキングや川遊びの自然体験型から、サッカーや水泳などのスポーツ系をまでいろいろ、子どもが興味に合わせて選ぶことができます。
「Sommercamp 2025」で検索してみると、ドイツ各地で本当にたくさんの種類のサマーキャンプが開催されていることがわかります。

暑すぎる夏ですが・・・、皆さんにとって楽しい思い出がたくさんできる夏休みになりますように。