【今週のドイツ語】Papiertiger
Papiertiger
パピーア・ティガー
直訳すると 「紙のトラ」。
つまり、見た目は強そうだけれど、実際は大したことがないもの・人を指す表現です。
外見だけ立派で、実際には力がない。
計画書、「紙の上では」立派なのに、さまざまな理由で実際には実行される気配がない。
そんな状況を、ドイツ語では少し皮肉を込めて 「Papiertiger」 と呼びます。
日本語なら「張り子の虎」でしょうか。
もともとは中国語の表現に由来しており、19世紀以降ヨーロッパにも伝わり、20世紀初頭には政治の場で使われるようになったと言われています。
抽象的な概念を「紙の虎」と表すのは、アジアでもヨーロッパでも似た感覚があるのが面白いところですね。
どんなときに使うのか?
日常会話や政治・ビジネスで登場する例文がこちら:
例1:計画ばかり立派
「Das Konzept ist beeindruckend, aber am Ende ist es nur ein Papiertiger.」
(すごいアイデアだね!…でも、これ本当に実行されるの?)
例2:強気な態度のわりに行動しない人
「Er redet viel, aber er ist ein Papiertiger.」
(彼は口では強気な事を言っているけど、結局行動におこさない)
例3:規則や制度が機能していない
「Dieses Gesetz ist ein Papiertiger.」
(この規則は形だけで実効性がない)
日本語の「張り子の虎」が「見かけだけ」というニュアンスと、どうしてもあの縁起物としての文化・工芸品のイメージがある一方で、「Papiertiger」は政治や社会でも使われる点が、どことなく実務的でドイツ的な気もするのは私だけでしょうか。
