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伝説の魔女の町へ!ヴェルニゲローデの美味しい旅

「ドイツで一番可愛い町はどこ?」と聞かれたら、私の頭に浮かぶトップ10のなかに間違いなく入るのが、ハルツ地方にあるヴェルニゲローデ。魔女祭りに木組みの家、登山列車、グルメにお土産まで、おとぎの国のようなこの町の魅力をたっぷりお届けします。魔法にかけられる旅へ出かけましょう!

年に一度の魔女の祭典「ヴァルプルギスナハト」

4月30日。ヴェルニゲローデ市庁舎に集まる魔女や悪魔のみなさん

毎年4月30日、この町は現実の世界から切り離され、魔法の夜へと姿を変えます。そう、伝説の魔女祭り「ヴァルプルギスナハト」(ワルプルギスの夜)の始まりです!

この日は街中が大コスプレ大会。大人もこどもも全力で魔女や悪魔に扮します。とんがり帽子に鉤鼻、個性あふれる衣装を纏った人々が、木組みの家が並ぶ旧市街を陽気に踊り歩く光景は、かなり現実離れしていて、まるで映画の中に入りこんだよう。仮装の完成度の高さにもほれぼれしますが、なによりその情熱に感動して、思わず目頭が熱くなってしまいます。

広場では魔女グッズやおいしい食べ物を売る屋台が並び、夜になると大きな焚き火が焚かれ、音楽とともに夜通し大盛り上がり。初めて会った魔女(に扮した地元の人)と肩を組んでビールを飲む……そんな不思議な連帯感が味わえるのも、この祭りならではの醍醐味です。

蒸気機関車「魔女列車」でブロッケン山へ

現役のSLで標高1,141mのブロッケン山へ。4月30日は特別仕様の魔女列車になります。

鉄道ファンならずとも興奮するのが、ハルツ狭軌鉄道の蒸気機関車(SL)です。シュッシュッという力強い音と、窓の外を流れる真っ白な煙。ヴェルニゲローデ駅から、魔女が住むと言い伝えられる「ブロッケン山」の頂上まで、約1時間半のドラマチックな列車の旅が楽しめます。

4月30日は限定「魔女列車」が運行。扮装した魔女たちが同乗し、車内で賑やかに騒ぎながら山頂を目指す特別列車は、予約必須の人気アクティビティです。山頂に近い停車駅、シールケ(Schierke)も魔女祭りで有名な村。イベント当日は遠方からもたくさんの観光客がやってきます。

濃い霧に包まれたブロッケン山頂。画像は冬に訪れた時のもの

ゲーテの『ファウスト』にも登場し、ブロッケン現象で有名なブロッケン山は、北ドイツ最高峰の霧深い山。山頂付近にはレストランや売店、博物館もあり、観光客やハイカーで賑わっています。

絵本の世界に迷い込む。古城と木組みの街並み

ヴァルプルギスの夜当日昼間のヴェルニゲローデ城。お祭り準備中

町の高台にそびえるヴェルニゲローデ城は、北のノイシュヴァンシュタイン城とも称される優雅さ。どこかハリー・ポッターの魔法学校を彷彿とさせる雰囲気も漂います。城内はガイドツアーで見学することができ、当時の貴族の生活を想像させられる豪華な装飾が圧巻。テラスからの景色も素晴らしく、オレンジ色の屋根が連なる町を一望できます。魔女祭りに合わせて開催される中世祭りも必見ですよ。

クリスマスマーケット開催中のマルクト広場。左の建物が市庁舎

ヴェルニゲローデ最大の魅力は、その美しすぎる街並み。魔女祭り以外の日でも、一年中いつ行っても楽しめます。ドイツには伝統的な木組みの家がいたるところにありますが、とくにハルツ地方は可愛い町がたくさん。なかでもヴェルニゲローデには保存状態のよい木組み家屋が多数残されています。「最小の家(Kleinstes Haus)」と呼ばれる小さなおうちや、心配になるほど傾いた古い家、緻密な彫刻が施された家々が並ぶ旧市街はまさに絵本の世界。特にとんがり屋根が印象的な市庁舎の周辺はどこを切り取っても可愛くて、シャッターを切る手が止まりません。

地ビールとボリューミーな郷土グルメを堪能

ジャガイモ専門レストランでいただいたシュニッツェルにはポテトがたっぷり

歩き疲れたら、重厚なドイツ料理でお腹を満たしましょう。ヴェルニゲローデには、ボリュームたっぷりの郷土料理や地ビールがいただけるレストランがいくつもあります。

ドイツ人の主食、ジャガイモを主役にしたポテト専門レストランも人気。ドイツ全土で親しまれているポテトスープ(カルトッフェルズッペ)やポテトサラダといった定番から、ベイクドポテト、グラタン、パンケーキ、デザートまであらゆるポテト料理が揃い、ジャガイモ料理の奥深さに驚くはず。ジャガイモだけでもけっこうなボリュームなのに、そこへ肉料理が付け合わせのように付いてくるのもドイツ流です。

醸造所レストランで地ビール飲み比べ

ハルツ地方は狩猟も盛ん。ジビエ料理や、カリカリに焼かれた豚のすね肉「シュヴァイネハクセ」を、町の醸造所で作られた地ビールで流し込む瞬間は、まさに至福のひとときです。

美味しいドイツ菓子とお土産

自分へのご褒美も忘れずに。ヴェルニゲローデには、おいしいお土産や魔女伝説にまつわる面白グッズがたくさん。

魔女や市庁舎がデザインされたバウムクーヘンはお土産にぴったり

日本ではドイツ銘菓として有名なのに、一部の町以外ではあまりお目にかかれないバウムクーヘン。じつはこの町で出会えます。目の前で焼き上げる専門店もあり、カフェでいただくこともできますよ。

種類豊富なシュナップス(蒸留酒)

  魔女伝説に関連して、地元の醸造所で作られた様々な薬草酒が売られています。なかでも有名なのが、ヴァルプルギスナハトが開かれるシールケで造られる「Schierker Feuerstein」。小瓶をくいっとやっている人もよく見かけます。

手作り感たっぷりの魔女人形

ユーモラスな魔女グッズもいろいろ。ほうきに乗った魔女の人形は、家に飾ると幸せが舞い込むと言われています。ぜひ持ち帰りたいですね。

「魔女」って何だろう?

4月30日。ヴェルニゲローデを練り歩く誇り高き魔女たち

今や映画や漫画のなかで大活躍し、町おこしにも一役買っている魔女たち。ファンタジーのヒロインとしてのイメージが強いかもしれませんが、中世の社会不安が増大した時代には、おもに欧米で多くの人々(多くは女性)が魔女に仕立て上げられて迫害にあったという悲しい歴史があります。そして現在も、人間社会にはそういった差別が様々な形で残っているように思えます。

ドイツでは、ヴァルプルギスの夜に合わせて、魔女迫害や差別を考えるシンポジウムが行われていたりもします。
そういった背景を知ると、ヴェルニゲローデで開かれる愉快で平和な魔女祭りが、よりいっそう意味深く感じられるのでした。

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ヴェルニゲローデは、一歩足を踏み入れるだけで、大人も童心に帰れる魔法の町。
ほうき……ではなく、パスポートを持って、ハルツの森へ出かけてみませんか?
いや、ほうきを持っていくのも面白いかも。まじめな話、あそこでなら、魔女になって空を飛べるかもしれません。
ほうきにまたがる魔女コスプレの日本人たち……想像しただけで楽しそうです。
いつかみんなでやってみたいですね!

著者紹介

坪井由美子

日本では「食」に関する仕事に従事。商品開発やリサーチ、テレビ・ラジオへの情報提供及び出演、執筆などに携わる。テレビ東京『テレビチャンピオン・甘味王選手権』で3度優勝するなど食いしん坊ぶりを発揮。2003年よりドイツに拠点を移しフリーライターとして活動。近年は世界各地でプチ移住や留学を体験しながら旅や食文化、最新トレンドなどリアルな情報を新聞、雑誌、ウェブメディア、ラジオ等で発信。 総合情報サイト「オールアバウト」ドイツガイド担当 / ドイツ発フリーペーパー「ドイツ・ニュースダイジェスト」で『食いしん坊のための簡単おいしいレシピ 』連載中/2020年秋『在欧手抜き料理帖』(まほろば社)出版

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