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ベルリンで味わいたい!郷土料理5選

ドイツの首都ベルリンは、歴史ある伝統料理と、世界中から集まる多様な食文化がダイナミックに融合する都市。今回は、ベルリンで古くから親しまれてきた代表的な郷土料理と、私が実際に足を運んだことのあるおすすめのお店を紹介します。

ベルリンの食文化

「ベルリンの料理って、ジャガイモとソーセージだけでしょ?」なんて声も聞こえてきそうですが、それは大きな誤解。かつてのプロイセン王国の中心地であり、東西に分断された数奇な歴史を持つこの街の食卓には、質実剛健ながらもどこか温かい、唯一無二の物語が詰まっています。

ベルリンのB級グルメを代表する名物「カリーヴルスト(カレーソーセージ)」や、移民文化から生まれた「ドネルケバブ」といったストリートフードの聖地である一方で、近年は「サステナブル」や「ヴィーガン」を掲げる先進的なレストランも急増しています。地元の食材を活かす伝統的なマルクト(市場)の賑わいと、多国籍なエッセンスが織りなす独創的な一皿。その「なんでもあり」な包容力こそが、現在のベルリン・グルメの最大の魅力といえるでしょう。

今回の記事では、ベルリンを代表する郷土料理5選をお届けします。
素朴でボリューム満点な「おふくろの味」をぜひ味わってみてください。

アイスバイン(Eisbein)

「豪快」を絵に描いたような、ベルリンを代表する名物料理。塩漬けにした豚のスネ肉を塩水に漬けこみ、玉ねぎ、セロリなどの香味野菜、クローブなどのスパイスと一緒にホロホロになるまで煮込んだもの。

南ドイツの焼くスタイル(シュヴァイネハクセ)とは異なり、ベルリンは「茹で」が基本。添えられた酸味の強いザワークラウト、エンドウ豆のピューレ(エルプセンピュレー)と一緒に食べるのが伝統的なベルリン流です。

見た目のボリュームに圧倒されますが、余分な脂が落ちているので驚くほどしっとり。コラーゲン効果のせいか、翌日はお肌もしっとりする気がします。

★おすすめレストラン
ベルリンで最も歴史あるニコライ地区には、ビール醸造レストラン「Georgbraeu」 など伝統的なドイツ料理がいただけるお店が集まっています。創業1621年の老舗「Zur letzten Instanz」はベルリンで最も古いレストラン。ナポレオンも座ったと言われる店内で食べるアイスバインは、歴史の重みを感じます。

ケーニヒスベルガー・クロプセ(Königsberger Klopse)

旧東プロイセンの都市ケーニヒスベルク(現在のロシアの飛び地、カリーニングラード)にその名を由来する「ケーニヒスベルガー・クロプセ」は、ベルリンの家庭やレストランで最も愛される定番料理の一つ。アンチョビを練り込んだ肉団子を、ケイパーの効いた白いクリーミーなソースで煮込みます。

「肉団子にアンチョビ?」と思うかもしれませんが、これが隠し味となって深みが出るんです。ケイパーの酸味が効いたソースは、付け合わせの茹でジャガイモとも相性抜群。

数あるドイツ料理のなかでも、日本人に特に人気が高いメニューです。

★おすすめの場所
クロイツベルク地区にある「Max und Moritz」は100年以上の歴史がある老舗。クラシックな内装と共に楽しめます。

ベルリン風カルプスレバー(Kalbsleber Berliner Art)

「レバーは苦手……」という方にこそ食べてほしいのが、子牛のレバー(カルプスレバー)のソテー。ベルリン風の特徴は、ソテーしたリンゴの輪切りと、たっぷりのフライドオニオンを乗せること。

濃厚なレバーに、リンゴの甘酸っぱさと玉ねぎの香ばしさが加わることで、驚くほど軽やかな味わいになります。マッシュポテトと一緒に口に運ぶのが正解。ベルリンっ子が愛してやまない「都会のスタミナ料理」です。

★おすすめの場所
ニコライ地区にある居酒屋「Zum Nußbaum」など、伝統的なドイツ料理店や居酒屋などでいただけます。

カリーヴルスト(Currywurst)

焼いたソーセージに、甘酸っぱい特製ソースとカレー粉をたっぷりかけた、ベルリンのソウルフード。発祥の地は諸説ありますが、1949年にベルリンでソーセージ店を営む女性がイギリス兵から手に入れたケチャップとソース、カレー粉を混ぜたのが始まりという説が有名です。

注文時は「皮あり(mit Darm)」か「皮なし(ohne Darm)」を選ぶのがベルリン流。個人的には、外はカリッ、中はジューシーな皮ありソーセージを、ポメス(ポテトフライ)と一緒に食べるのが好みです。

★おすすめの場所
ベルリンにはいたるところにカリーヴルストが食べられるスタンドがありますが、なかでも東ベルリンの高架下にある「Konnopke’s Imbiss」やクロイツベルクの「Curry36」は歴史が古く、観光名所ともいえる人気店です。

カルターフント(Kalter Hund)

「冷たい犬」という名の、カルターフントは、バタービスケットとココアパウダーとココナツオイルを混ぜたものを層にして冷やし固めた、オーブンを使わないお菓子。旧東ドイツで親しまれていたおやつですが、近年のノスタルジーブームにのって全国的に人気が広がり、おしゃれなカフェで見かけることも増えました。

見た目は地味ですが、濃厚なチョコとサクサクのビスケットの組み合わせは、どこか懐かしい「おばあちゃんの味」といった感じで、ほっとするおいしさ。

名前の由来は、冷やして固めるからという説や、断面が石炭の運搬車に似ていたことから、昔の鉱夫たちが呼んでいた「Hund」が名前の由来になったという説も。

★おすすめの場所
もともと家庭のおやつとして親しまれていたものなので、レストランよりも市場やカフェで見かける確率が高いです。確実にメニューにあるのが(※要確認)、博物館島の近くにある複合施設「フンボルト・フォーラム」内のビストロ。ベルリン名物やサラダバー、デザートなどをセルフサービスでいただけるので、観光の合間のランチやお茶にもおすすめのスポットです。

ベルリンの郷土料理は、どれも飾らないけれど、一口食べればその土地に根付いた力強さが伝わってきます。
そして郷土料理以外にも、多様な食文化が集まるのがベルリンの魅力です。

次回は、ベルリン・グルメの第2弾【トレンド編】。
近年流行りの食ブームや人気メニューなど、今のベルリンで味わいたい多様なグルメをお届けします。
どうぞお楽しみに!

著者紹介

坪井由美子

日本では「食」に関する仕事に従事。商品開発やリサーチ、テレビ・ラジオへの情報提供及び出演、執筆などに携わる。テレビ東京『テレビチャンピオン・甘味王選手権』で3度優勝するなど食いしん坊ぶりを発揮。2003年よりドイツに拠点を移しフリーライターとして活動。近年は世界各地でプチ移住や留学を体験しながら旅や食文化、最新トレンドなどリアルな情報を新聞、雑誌、ウェブメディア、ラジオ等で発信。 総合情報サイト「オールアバウト」ドイツガイド担当 / ドイツ発フリーペーパー「ドイツ・ニュースダイジェスト」で『食いしん坊のための簡単おいしいレシピ 』連載中/2020年秋『在欧手抜き料理帖』(まほろば社)出版

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