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ドイツとアジア:新たな同盟、新たなチャンス

©iStock | wichianduangsri
EU・ベトナム間の貿易拡大により利益を得るドイツ。ホーチミン市の夜景。

成長路線へ。日本、ベトナム、インドネシアはドイツとの経済パートナーシップをどう拡大していくのか。

世界情勢が再編されるなか、貿易関係もまた、新たな局面を迎えている。ドイツと多くのアジア諸国は、互いを将来有望なパートナーと位置づけている。日本やベトナム、インドネシアなどの国々が良好な成長見通しを示す一方で、ドイツの持つノウハウは依然として高く評価されている。このアプローチは、双方にどのようなチャンスをもたらすのだろうか。

日本とドイツ―共通の価値観とビジョン

日本は、特に原材料の供給において、他国への依存度を下げたいと考えている。欧州との貿易は、その中で大きな役割を果たす。輸出国家である日本は長年にわたり、アジアにおけるドイツの最も重要な貿易相手国のひとつであり、日本にとってのドイツも同様だ。現在、約1900社の日系企業がドイツで活動しており、約730社のドイツ系企業が日本に進出している。

「日独両国は非常にうまく補完し合っている」
   ジェトロ(日本貿易振興機構)ベルリン事務所長 岡本 繁樹氏

日独の良好な関係の根底には、精緻に噛み合う、類似した経済構造や産業形態がある。
「日独両国は非常にうまく補完し合っています」。岡本繁樹ジェトロ(日本貿易振興機構)ベルリン事務所長はこう語る。岡本氏によれば、両国の結びつきは単なる二国間貿易にとどまらず、共通の価値観や未来を見据えた戦略的ビジョンに基づいているという。
両国の交流は今後、さらに強化される見通しだ。 岡本氏は次のように展望を語る。「私たちは、特にグリーン・トランスフォーメーション(GX)やデジタルトランスフォーメーション(DX)、そして先進製造業などの分野において、貿易関係がさらに深化するための大きな可能性を感じています。現在発効している経済連携協定や自由貿易協定(EPA/JEFTA)は、そのための確かな枠組みを提供してくれるでしょう」。

ドイツとベトナム―デジタル化で広がるチャンス

ベトナムは、2045年までに高所得国の仲間入りを果たし、2050年までに経済の完全な脱炭素化を達成するという、野心的な目標を掲げている。その達成に向け、政府は年10%の経済成長率を目指しており、再生可能エネルギーの導入、効率的なハイテク産業の育成、そしてデジタルインフラの拡充を成長の牽引役として位置づけた。
この動向は、ドイツ企業にとって大きなビジネスチャンスを意味する。在ベトナム・ドイツ商工会議所のペーター・コンパラ首席代表は、「ドイツ企業は、送電網・通信網の拡充をはじめ、インダストリー4.0やデジタル化の領域において、貴重な専門知識を有している」と分析している。

ペーター・コンパラ
在ベトナム・ドイツ商工会議所首席代表

ベトナムはこれまでに、自由貿易協定の緊密なネットワークを構築してきた。2026年1月には、欧州連合(EU)との間で関係を「包括的戦略パートナーシップ」へと格上げし、貿易、エネルギー、気候、安全保障などの分野での協力を強化することで合意した。一方、投資保護協定(EVIPA)は現在も手続きの途上にある。
ドイツはすでに批准プロセスを完了しているものの、いくつかのEU加盟国ではまだ批准に至っていない。2020年の発効以来、EU・ベトナム自由貿易協定(EVFTA)は、同国の経済発展を著しく加速させている。2020年から2024年にかけてEUからベトナムへの投資は約35%増加した。さらに、ドイツとの貿易額は2025年単年だけで16%以上増加し、220億ユーロに達している。

ドイツがこの成長からきわめて大きな恩恵を受けた背景には、歴史的な理由もある。1990年代のベトナムの経済開放にドイツ企業が参加したことが、今日まで影響を及ぼしているのだ。また、ベトナム人高度人材の受け入れや移転プロジェクトも、ベトナム社会においてドイツに対するポジティブなイメージを形成してきた。
一方、ドイツ企業にとってベトナムは、ダイナミックな成長市場であり、改革に前向きな政府が存在する国である。国民も若く、教育水準が高く、そして意欲にあふれている。

インドネシア―この地域におけるドイツの最も重要な貿易相手国

インドネシアは今日すでに、この地域におけるドイツの最も重要な貿易相手国だが、より高度な戦略的自律を求め、先日BRICSに加盟した。これと並行して、G20や経済協力開発機構(OECD)との協力関係も深化された。
さらに、米国およびロシアともパートナーシップを締結した。ますます多極化する世界において、インドネシアは政治的な自由裁量の確保を重視している。一連の貿易協定を通じて、インドネシア政府はさらなる市場開拓を進めている。その一環として、インドネシアとEUは2025年、経済連携協定(EPA)および投資保護協定の締結を決議した。
これにより、インドネシアは高水準な市場へのアクセスを確保する一方、欧州もまた原材料の調達先、テクノロジーに精通した若い国民、そして急速に成長する販売市場の恩恵を受ける。

ハンス=ルートヴィヒ・ブルンス
ドイツ国際協力機構(GIZ)インドネシア事務所長

こうした背景から、ドイツは経済協力を拡大したいと考えている。一方、インドネシア政府もドイツに対し、より積極的な関与を期待している。「ドイツはハイテクを象徴する国であり、産業プロセスの効率化や再生可能エネルギー源の開拓を支援できるはずだ」。ドイツ国際協力機構(GIZ)インドネシア事務所長のハンス=ルートヴィヒ・ブルンス氏はこう述べる。
しかし、両国間の関係がすべて順調というわけではない。例えば、欧州森林破壊防止規則や欧州サステナビリティ・デューデリジェンス指令は、インドネシアの政治家から貿易障壁と捉えられる傾向が強まっており、反発する動きも生じている。その際、インドネシアの政治家は貿易の拡大や経済関係の深化によって獲得した、強まりつつある政治的発言力を背景に交渉に臨んでいる。

credit: deutschland.de
https://www.deutschland.de/de/topic/wirtschaft/handelspartner-deutschland-japan-vietnam-indonesien

著者紹介

大使館スタッフ

ドイツ大使館 広報部の職員による投稿です。 こちらもよろしく! Twitter: @GermanyinJapan Facebook: @GermanyInJapan Website: ドイツ大使館 今週のドイツ語が本になりました!→「ドイツのことば図鑑

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