7歳息子も大好き、ドイツのオーディオブック〜2歳から10歳頃向けおすすめシリーズ〜

3年前の長男の4歳の誕生日。夫の同僚から息子にプレゼントが届きました。中に入っていたのは二つのフィギュア。かわいい。そういえばこのフィギュア、お友達の家でもよく見かけるなあ。と思っていると、夫曰くこれは「トニーフィギュア」というらしい。
トニーフィギュア…って何?
これが私と「ドイツのオーディオブック」との出会いでした。
今回は、ドイツのオーディオブック文化やドイツ人夫とお義母さんのおすすめオーディオブックシリーズについてご紹介します!
トニーフィギュアとトニーボックス
ドイツ人のお友達の家でよく見かけた「トニーフィギュア」とは?
トニーフィギュアを Toniebox(トニーボックス)の上に置くと、物語や音楽が再生されます。Toniebox(トニーボックス)は、ドイツの tonies 社が開発した子ども向けのオーディオプレイヤーです。

我が家では、長男は Toniebox(トニーボックス)がとても好きで、4歳ごろから7歳になった現在でもよく聞いています。プレゼントでフィギュアをもらうことも多く、今ではたくさんのコレクションが集まりました。部屋に飾っているだけでも可愛い。

ドイツの図書館に行くと、トニーフィギュアの貸し出しをしているところが多いので、本体さえ持っていればいろいろなお話を聞くことができます。私たちが利用していた図書館では、物語の対象年齢別にまとめてくれていました。誕生日プレゼントにも人気です。
現在は、英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語のトニーフィギュアがあるそうなので、いつか日本語版も始めてほしい!さらにクリエイティブトニーズというフィギュアを使えば、自分で好きな音楽や音声を入れたり編集することもできます。じいじやばあばの読み聞かせの音声を送ってもらい、トニーを通して何度も聞くことができるので海外在住でも子どもが日本語に触れる機会を少しでも増やすことができます。
現在4歳の次男は、長男ほど Toniebox(トニーボックス)にハマったことはないのですが、音楽が聴けるものは気に入って時々聴いています。
年齢が上がれば上がるほど、ゲームやNetflixなどの誘惑が増えるので、トニーを聴く頻度が減っていく子が多いような気がします。でも未就学児の子ども達には大人気。自分で好きなものを選んで聴けて、スクリーンタイムを少しでも減らしたいママやパパにはとてもいいアイテムだなあと思います。
ドイツと日本のオーディオブック文化
お義母さんとドイツのオーディオブックについて話をしていると、一枚の写真を見せてくれました。

これは夫が5歳くらいの時に持っていたオーディオプレイヤー。夫はこれに自分の好きなカセットを入れて、どこに行くにも持ち歩いていたそう。マイク付きの大きいオーディオプレイヤーを持ってウロウロしている5歳児・・・かわいい・・・。当時、夫はいつもこれでオーディオブックを楽しんでいたそうです。
ドイツのオーディオブック文化は1920年代のラジオ朗読から始まり、その後視覚障害者向けに録音された文学作品が登場。1990年以降には商業的な成長を遂げています。
レコード
カセット(1980-1995)
CD (2000-)
Tonieboxやストリーミング (2016年頃-)
このように、オーディオブックを楽しむための媒体は時代と共に変化していきました。Audible Hörkompass(オーディブルホアコンパス)が2024年に発表した調査によると、ドイツの18~65歳の人々のうち、約46%が定期的にオーディオブック、ポッドキャスト、またはラジオドラマを聴いているそう。46%はすごい!
ドイツでのオーディオコンテンツの利用率
2016年:15%
2023年:34%
2024年:46%
こうしてみると、近年になってまたオーディオブック人気が高まってきているのがわかります。
(※Audible Hörkompass(オーディブルホアコンパス)は Audible が毎年ドイツ国内で実施しているオーディオブックやポッドキャストなどの音声コンテンツの普及率や利用実態を調査したレポート)
ドイツで生活をしていた頃も、お友達の家に置いてあるトニーボックスや、図書館に並んでいるフィギュアやオーディオCDを目にしていたので、オーディオブックはまだまだとても身近で人気なんだなあと感じることがたくさんありました。
子どもたちのトニーフィギュアを見ながら、「あーこれ懐かしいね」「これよく聴いてたよねえ」「最近はこんなのもあるんだね」とオーディオブックについて話に花を咲かせている夫とお義母さん。考えてみると・・・私は子どもの頃にオーディオブックを聴いていた記憶が全くありません。実際、日本語のオーディオブックを探してみると、童話や日本昔ばなしなどならいくつか出てくるのですが・・・長男がドイツ語で聴いているような面白いシリーズを見つけることができませんでした。
Audible の調査によると、日本国内でのオーディオコンテンツ(オーディオブックやポッドキャストなど)の利用者は2023年から2024年にかけて、17%から21%へと増加しているそうですが、ドイツと比べるとまだまだ少ない印象です。
夫とお義母さんのおすすめオーディオブックシリーズ
ドイツで人気のあるシリーズをご紹介します。「2歳〜4歳向け」はこちらのサイトを参考にしました。「5歳〜14歳向け」は夫が子どもの頃よく聴いていたものや、お義母さんのおすすめです。
2歳〜4歳頃
・Mit Bobo Siebenschläfer durch das Jahr
小さなヤマネのボボが、四季を通じてさまざまな日常の出来事を体験する物語。

・Peter Hase und seine Freunde
日本でも有名なピーターラビットのお話。イギリスの田園を舞台に、たくさんの愛らしい動物たちが登場。

・Geckos große und bunte Geschichtenwelt
「ゲッコーの大きくてカラフルなお話の世界」は、幼い子どもでも集中して楽しめるように数分〜十数分の長さで構成されている物語。

・Viele Grüße, Deine Giraffe
心あたたまる友情と遠く離れた友だちとの文通を描いた、魅力的なオーディオブック。キリンと親友のペリカンが、遠くの動物たちに手紙を書くお話。

4歳〜7歳頃
・Das kleine Gespenst
子どもたちにとても人気のシリーズ。怖くないおばけの話。夜と昼の世界にまつわるユーモアとちょっとしたミステリー。

・Der kleine Wassermann
ミューレ湖 (Mühlenweiher) にある水車小屋のそばで生まれた、水の精の男の子の物語。四季折々の自然と水中の世界が舞台。のんびりしたテンポなので小さな子にも聞きやすい。

・Eine Woche voller Samstage
願いがかなう不思議なキャラ「サモサ」との1週間。ユーモア満点でテンポもよく、子どもに人気。

・Michel aus Lönneberga
いたずら好きだけど心優しい少年ミッシェルのお話。

・Die Kinder von Bullerbü
日常の冒険、素朴で温かいエピソード中心。幼児〜小学校低学年向けにぴったり。

・Pippi Langstrumpf
自由で破天荒な女の子ピッピの話。ユーモアたっぷりで、常識にとらわれない世界観。

・Die kleine Hexe
ちょっとした冒険や魔法の要素が楽しい。優しさや正義感の大切さがテーマ。

8歳ごろ〜
・Die drei ???
謎解き・冒険系。語彙がやや高度で、長時間のリスニング力が必要。シリーズも豊富。

・Tim und Struppi
世界中を舞台にした冒険活劇。オーディオブック版は少しスピーディーで語彙も豊富。

9歳〜10歳以上
・Drachenreiter
ファンタジー冒険もの。魔法、ドラゴン、仲間との旅。描写が豊かで少し長め。

・Herr der Diebe
子どもだけで生きるヴェネツィアのストーリー。テーマがやや大人向け(孤独・逃避など)。文章・語彙も中級以上。

おすすめのシリーズが多いのでもう少し絞れるかと聞くと、どれも良くて難しいという夫。オーディオブックと一緒に育ち、それぞれの物語に当時の思い出がある夫を少し羨ましく思いました。きっと頭の中にたくさんの想像を膨らませながら聴いていたんだろうなあ。
気になるシリーズがあれば是非聴いてみてください!