ドイツで出会った個性的な幼稚園の先生たち

ドイツに住んでいた頃、色々な幼稚園の先生たちに出会いました。息子たちが通っていたのは自然の多い小さな町の公立の幼稚園。
今回は、ドイツで出会った幼稚園の先生たちをご紹介します。
*先生たちの名前は仮です
ドイツと日本の幼稚園の先生のイメージ
日本で「幼稚園の先生」というと、こんなイメージを頭に浮かべる人が多いのではないでしょうか。

私のドイツの「幼稚園の先生」のイメージはこちら。

ドイツでは大人含め、幼稚園の先生たちも子どもに対するリアクションが落ち着いるように感じました。日本では自分が描いた絵や作ったものを見せた時、笑顔で「わ〜!!上手に描けたねえ!これはくじらかな?」などと大きくリアクションしてくれる方が多い印象ですが、ドイツでは「Gut!(good)」「Super(いいね)」と短めだったり、「Wow, das sieht super aus!(わあ、すごくいいね!)」というコメントもとても落ち着いたテンション言っているのをよく見かけました。
日本での生活が始まってまもない頃、一時保育サービスや子どもが遊べる地域の施設に行った時、スタッフさんが盛大に「わあ〜!!上手にかけたねえ〜!!」と褒めてくれるので、そのリアクションの良さに息子たちが驚いて少しもじもじしていたことがありました。

談笑しながら子どもたちを見守る
息子たちが通っていた幼稚園には大きな庭があって、毎日子どもたちが楽しそうに走り回っていました。お迎えに行く時、庭沿いの道を通るので子どもたちの様子を微笑ましく見ながら歩いていたのですが、いつも3、4人の先生たちが集まって談笑しながら子どもたちを見守っていました。これはドイツの公園で遊んでいる幼稚園のグループを見かけた時も、よく見る光景なのではないかなと思います。

母のようなシュルツ先生
シュルツ先生は、次男が少しの間保育園に通っていた時のクラスの担任。初めて挨拶をした時からシュルツ先生は決して愛想のいい方ではなかったので「大丈夫かな…?」少し不安に・・・。ところが慣らし保育中、子どもたちの様子を見ていると、とにかくシュルツ先生のところに集まる子どもたち。その姿はもはや大家族の母のようで、その人気ぶりから「絶対いい先生だ!」と確信を持ちました(笑)。何度か話しているうちに、先生の笑顔も時々見れるようになり、次男の良いところなども本当に細かいところまで気付いてくれて親子共にとても好きな先生に。

ドイツでは、けっっっして愛想は良くないけど、この人絶対優しい人だな・・・という方に出会うことが時々あります。ドイツでは「愛想笑い」をすることがあまりないので初めは「こわいひと?」「機嫌悪い?」と思うこともありましたが、慣れてくると「真顔のとても優しい人センサー」が働くようになりました。
印象的だったミュラー先生
週に何度か長男のクラスに来てくれていたミュラー先生。還暦の近いベテラン先生だったのですが、紫とグレーのショートヘアーでとってもファンキー。いつもパワフルで、優しくて長男も私も好きな先生の一人でした。休憩時間になると建物の裏で他のクラスの先生といつもタバコを吸う先生。帰り際に長男が「Tschüss!Frau Müller〜!!!(ミュラー先生バイバイー!)」というと「Tschüss!Bis morgen!!(バイバイ!また明日ね!)」とタバコ片手に元気よく返してくれます。これは日本の幼稚園では見れない光景だなあ(笑)ととても印象に残っています。「ワハハハー!」と元気に笑ってくれるミュラー先生、もう今は定年退職されているかもしれません。

モデルのような若手A先生
「Guten Morgen!」と挨拶をするたび、見惚れてしまうくらい可愛いA先生・・・。息子たちの隣のクラスの先生で、「プラダを着た悪魔」のアン ハサウェイのようでした。そしてとにかくおしゃれ。冬は黒の革ジャンを着て出勤したり、夏はサラッとシンプルなタンクトップだったり・・・。私は時々見かけるA先生のファッションを見るのを密かに楽しんでいました。ドイツの先生たちはタトゥーが入っていたり、服装もとても自由で、日本のようにエプロンを着ている先生は見たことがありませんでした。

ドイツと日本の幼稚園の先生たちを比べてみると、リアクションの仕方や服装の自由さ、先生たちに求められるルールや安全面への考え方など、たくさんの文化の違いを感じました。どちらが良い・悪いということではなく、それぞれの国に合った「先生らしさ」があるのだと思います。日本と同じように、特に大きい都市では保育士不足が社会問題になっているドイツ。先生たちがより働きやすくなるような政策が進み、子どもたちがのびのび過ごせる環境が広がるといいなと思います。