HOME/Culture/日独ハーフの視点/【ドイツ語の言い回し】Jemandem alles aus der Nase ziehen müssen
ライフスタイル 日独ハーフの視点 ドイツ語講座 Daily Life Pick Up

【ドイツ語の言い回し】Jemandem alles aus der Nase ziehen müssen

今回は実用的なドイツ語の言いまわしをご紹介します。それは、タイトル通り jemandem alles aus der Nase ziehen müssenです。

これを直訳すると・・・「誰かの鼻から全部引っ張り出さないといけない」です。

たまにいますよね?ものすごく口数が少ない人。こちらが質問をしても、こんな感じの会話になる人。

「カナダを旅行していたんですって?」「はい」

「カナダ、いかがでした?」「まあ、よかったですよ」

「何か美味しいもの食べました?」「いや、特に・・・」

「どんなところを観光されたんですか?」「ええ、まあ色々・・・」

みたいなリアクションの人。全く話が広がりません・・・・!

そんな時、ドイツ人はMuss man dir denn alles aus der Nase ziehen???(直訳「あなたの鼻から全部引っ張り出さないといけないわけ???」)と言うわけです。

つまり「口数が少なく、話すのが苦手で情報開示をしない人から、情報を引っ張り出そうとする時」に使うフレーズなのですね。

これはよく陰口でも使います。「あの人、いい人なんだけどね、Man muss ihm /ihr alles aus der Nase ziehen.(あの人の場合、全ての情報を鼻から引っ張り出さなければいけない)」のような感じで。

日本では「無口な人」というのは意外と評価されていたりします。かつては「男は黙ってサッポロビール」なんてCMもありましたし、あの高倉健さんは良い意味で寡黙な俳優として良い意味で知られていました。現在も、職種にもよりますが、仕事においては「ペラペラとやたら喋る人」よりも「黙々と仕事をする人」が好まれる気がします。

でもドイツだと、そうはいきません。口数が少なく、自分のことや自分の周りに起きたことについて、あまりにも情報開示をしないと、周囲の人に、“Man muss ihm /ihr alles aus der Nase ziehen.“と言われてしまうことでしょう。

基本的にドイツでは性別に関係なく「よく喋る人」がデフォルトです。口数が少ないと「どうしたの?」と心配されることも。

時には„Komm schon! Lass dir nicht alles aus der Nase ziehen!“(意訳「ほら、何でも鼻から引っ張り出してもらってないで、しゃべって!」)なんて怒られてしまうことでしょう。

Jemandem alles aus der Nase ziehen müssenという言い回しは、もともとは100年ほど前によく使われていた言い回しJemandem die Würmer aus der Nase ziehenから来たものです。後者の直訳は「誰かの鼻から虫を引き出す」です。ぎゃー。

※上に「虫」と書きましたが、ミミズのような形状のものを想像していただければと思います。

・・・と、こんなタイミングで〆るのもナンですが、皆様また来月お会いしましょう! サンドラ・ヘフェリン

著者紹介

サンドラ・ヘフェリン

ドイツ・ミュンヘン出身。日本歴19年、著書に「ハーフが美人なんて妄想ですから!!」(中公新書ラクレ) 、「ニッポン在住ハーフな私の切実で笑える100のモンダイ』(原作: サンドラ・ヘフェリン、漫画: ヒラマツオ/KADOKAWA)、「『小顔』ってニホンではホメ言葉なんだ!?~ドイツ人が驚く日本の「日常」~」(原作: サンドラ・ヘフェリン、漫画: 流水りんこ/KKベストセラーズ)」など計11冊。自身が日独ハーフであることから、≪ハーフはナニジン?≫、≪ハーフとバイリンガル教育≫、≪ハーフと日本のいじめ問題≫など「多文化共生」をテーマに執筆活動をしている。ホームページ 「ハーフを考えよう!」 を運営。趣味は時事トピックについてディベートすること、カラオケ、散歩。

Category カテゴリ

Archive アーカイブ

Mail Magazine

ドイツの最新情報を配信!

メールマガジンに登録