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【ドイツ語の言い回し】Von etwas ein Lied singen können

今回もちょっと独特なドイツの言い回しをご紹介いたします。

それは・・・

Da kann ich ein Lied davon singen!

です。

日本語に直訳すると、「私はそのことについて歌を歌うことができるわ!」「僕はそのことについて歌を歌うことができるよ!」です。

「んんん?」と思われた方も多いかと思いますので、ちょっと説明させてください。

たとえば、ドイツ人Aが「離婚の際の、手続きの難しさ」について愚痴を言ったとします。それを受けて、同じく離婚歴のあるドイツ人Bが「わかるわかる。Da kann ich ein Lied davon singen!」と言います。つまり「自分もそんな目に遭って、同じ経験をしているから、そのことに詳しいよ…」という意味です。

このように「共通の話題で盛り上がる時」「相手に共感する時」に使われることが多い印象です。

本来はこの言い回し、学問や歴史などの「ある分野に詳しい」場合に使われるものです。「どこそこの国の歴史について、大学で専攻したし、論文も書いたから、Da kann ich ein Lied davon singen!」というのが本来の正しい使い方ですね。

この言い回し、実は16世紀から使われているようです。今の時代、Liedといえば「歌」のことですが、昔のドイツではLiedとは必ずしも歌のことではなく「自分の知識について話すこと」つまりは講演や講釈、スピーチという意味でした。

だからこんな使い方をします。

Anwälte und Anwältinnen können ein Lied davon singen, wie sich ehemalige Eheleute nach einer Scheidung bekriegen. (離婚の際に、元夫婦だった人達が「いかにケンカ腰であるか」について、弁護士がとても詳しい。)

Profi-Fußballer können ein Lied davon singen wie schwierig es ist über einen längeren Zeitraum konstant im Sport erfolgreich zu sein.(長年に渡りコンスタントにスポーツで好成績をあげることが、いかに難しいかについて、当事者のプロサッカー選手が一番よく知っている。)

そしてもちろん「子育て」もある意味、専門分野だといえるでしょう。私に子供はいませんが、話を聞く限り、結構苦労の多い「分野」だと思います。だから、こんな言い回しも「アリ」です。

Eltern können ein Lied davon singen wie anstrengend es ist alleine mit mehreren Kleinkindern in der Wohnung eingeschlossen zu sein.(親が一人で数日間に渡り、家の中で小さな子供達の面倒を見なければいけない、という状況が「どれほど大変な事であるか」について、当事者の親が一番よく分かっている。)

・・・・というわけで、この Von etwas ein Lied singen könnenは「苦労話」をする際に使われることがやはり多いですね。

さて、私がIch kann ein Lied davon singen!と言えるのはどんな分野なのか・・・?と考えてみると、やっぱり「日本とドイツ」のことなのかな、なんて思います。

日本とドイツという全く違う国と幼少期の頃からつながっていたからこそ「他の人はしなかった苦労」もしました。同時に「他の人にはない楽しみ」もいっぱいできました。

Ich kann ein Lied davon singen wie schwierig es ist zwischen zwei Kulturen aufzuwachsen. Aber gleichzeitig sind diese Erfahrungen sehr bereichernd.

サンドラ・ヘフェリン

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著者紹介

サンドラ・ヘフェリン

ドイツ・ミュンヘン出身。日本歴19年、著書に「ハーフが美人なんて妄想ですから!!」(中公新書ラクレ) 、「ニッポン在住ハーフな私の切実で笑える100のモンダイ』(原作: サンドラ・ヘフェリン、漫画: ヒラマツオ/KADOKAWA)、「『小顔』ってニホンではホメ言葉なんだ!?~ドイツ人が驚く日本の「日常」~」(原作: サンドラ・ヘフェリン、漫画: 流水りんこ/KKベストセラーズ)」など計11冊。自身が日独ハーフであることから、≪ハーフはナニジン?≫、≪ハーフとバイリンガル教育≫、≪ハーフと日本のいじめ問題≫など「多文化共生」をテーマに執筆活動をしている。ホームページ 「ハーフを考えよう!」 を運営。趣味は時事トピックについてディベートすること、カラオケ、散歩。

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