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未来を担う戦略産業

ラインメタル社における戦車生産
©Stephan Pramme

戦車、ドローン、そしてハイテク。急成長を遂げるドイツの防衛産業は、今や欧州の安全保障上の利益における中心的な存在となっています。

ドイツの防衛産業は、単なる一産業分野にとどまりません。ドイツ、欧州、そしてNATO(北大西洋条約機構)同盟全体の安全保障と防衛能力にとって、非常に重要な戦略的意義を持っています。特に、国際法に違反するロシアのウクライナ侵攻以降、高まり続ける脅威の中で、その重要性はさらに増しています。ドイツの防衛産業は、そ
のイノベーション・パワーを通じて、ドイツ連邦軍や同盟国の装備を支える重要な役割を果たしているだけでなく、ドイツの産業全体の競争力向上にも大きく貢献しているのです。

システムハウスと強い中小企業

ドイツの防衛産業は、主に中小企業で構成されており、大型兵器システムを統括する少数の「システムハウス」を中心に、多くの中小企業がグループを形成する構造となっています。
冷戦終結後、ドイツ連邦軍による防衛装備品の調達が減少した際、ドイツの防衛産業は、国際的な競争を通じてその地位を維持することに成功しました。新たな主軸となったのは輸出事業であり、専門家の試算によると、付加価値の約70%を占めています。ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)によると、ドイツは防衛装備品輸出国として世界
第5位に位置しています。世界規模で見て最も重要なドイツの防衛企業はラインメタル社であり、SIPRIは同社を主要防衛企業ランキングで世界26位に位置づけています。機関銃や拳銃、グレネードランチャー(擲弾発射器)のメーカーであるヘッケラー&コッホ社も、受注残が潤沢に積み上がっています。
防衛産業は特にバイエルン州で強固な基盤を持っており、同州で約3分の1の付加価値を生み出しています。バイエルン州がドイツの航空宇宙産業の中心地であること、そしてクアンタム・システムズやヘルジングといった、急成長を遂げているドローン関連企業が拠点を置いていることがその理由です。

クアンタム・システムズ社が開発する偵察ドローンや戦闘ドローン
©Quantum Systems

陸上部隊向け兵器におけるトップの地位

しかしながら、ドイツの防衛産業特有の強みは、装甲車両、潜水艦、および海軍艦艇といった、伝統的な主要兵器システムにあります。こうした分野では、特にマイクロエレクトロニクスにおいて、国内の幅広いサプライチェーンに支えられています。
ドイツの防衛産業は、陸上部隊向けに生産される兵器システム、車両、装備、そして技術の分野において、トップの地位を占めています。ここでドイツのメーカーは、特に兵器システムのデジタル化において、世界標準を確立してきました。例えばラインメタルが製造するリンクス歩兵戦闘車は、米国陸軍の次期歩兵戦闘車の最終選考に残っています。

ラインメタル社における弾薬製造
©Stephan Pramme

安全保障政策の情勢による高い需要

ドイツ連邦政府は、防衛費を従来の国内総生産(GDP)比2%から、将来的には3.5%へと引き上げ、さらに国内の経済出力の約1.5%に相当する予算を軍事利用可能なインフラに充てるとしたNATOの決定を歓迎しています。これに伴い、ドイツ製の防衛装備品に対する需要は現在、大幅に拡大しています。
ドイツ連邦政府、ドイツ連邦軍、EU、そしてドイツの同盟国と緊密に連携するなかで、ドイツの防衛産業は今、かつてないほど戦略的に高度な決定を下すことが求められています。防衛産業は、単なる一産業分野にとどまるものではないのです。

credit: deutschland.de
https://www.deutschland.de/en/topic/business/german-arms-industry-on-a-growth-trajectory

著者紹介

大使館スタッフ

ドイツ大使館 広報部の職員による投稿です。 こちらもよろしく! Twitter: @GermanyinJapan Facebook: @GermanyInJapan Website: ドイツ大使館 今週のドイツ語が本になりました!→「ドイツのことば図鑑

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