【ベルリン】かつての王宮「フンボルト・フォーラム」で食べて、考える。
ベルリンの歴史と名物料理を同時に体験できる穴場のグルメスポットをご紹介。2020年、博物館島の向かいに誕生した「フンボルト・フォーラム」は、複数のミュージアムにレストランやショップが併設された複合文化施設。見る、食べる、買う、そして考える。ベルリンの歴史と今を五感で体感できる場所です。
歴史と現代が交差する文化の拠点

かつてプロイセン王国の王宮があり、東ドイツ時代には共和国宮殿が建てられた地。そんな重層的な歴史を宿す場所に誕生したのが、フンボルト・フォーラム(Humboldt Forum)です。かつての王宮の外観を忠実に再現した巨大なバロック様式の建物内には、複数の博物館や個性豊かな飲食施設が揃います。
ヨーロッパ以外の地域から集められた膨大な民族学コレクションを展示する「ベルリン民族学博物館」や、日本を含む東洋の美を伝える「アジア美術館」など、見どころは尽きません。
ここでは単に美しい遺物を並べるだけでなく、「この美術品はどのようにここへやってきたのか」という、植民地時代の負の歴史にも正面から向き合っています。過去を隠さず、未来への対話に変えようとする、ベルリンらしい誠実な姿勢が印象的です。
「自分ごと」として歴史と平和を考える「ベルリン・グローバル」

数ある展示の中でも、ぜひ時間を取って訪ねてほしいのが「ベルリン・グローバル(Berlin Global)」展。ベルリンという都市が世界に与えた影響、そして世界から受けた影響を、「境界線」「戦争」「ファッション」など7つのテーマで紐解いていきます。

最大の特徴は、体験型・参加型の展示システム。入場時にもらえるリストバンドを使い、各エリアの設問に「自分ならどう思うか」「どう行動するか」と、ボタンを押して自分の意見を選択しながら進みます。例えば「戦争」の部屋では平和を守るための選択を、「ファッション」の部屋では消費の倫理を問いかけられる仕組みです。


見学の最後には、自分の選択の軌跡がデータとして表示され、他の来場者の意見と見比べることができます。世界中で争いが絶えない今だからこそ、展示を遠い世界の出来事として眺めるのではなく、「自分だったら……」と身近に深く考える。そんなきっかけを、この展示は与えてくれます。
ミュージアムショップでお土産探し

じっくりと展示を楽しんだ後は、広々としたミュージアムショップへ。ここには、フンボルト・フォーラムのオリジナルグッズのほか、ベルリンの現代カルチャーを切り取ったセンスの良いデザイン雑貨、伝統工芸をモダンにアレンジしたアイテム、環境に配慮したサステナブルな商品などがずらりと並びます。
定番の観光土産とは一味違う、エッジの効いたグッズは、大切な人へのギフトにはもちろん、自分への旅の記念にもぴったりです。
ベルリン名物を一挙に味わえるビストロ

じつはグルメスポットとしても優秀なフンボルト・フォーラム。いくつかある飲食施設のなかでも、中庭に面したビストロは、気軽に入れて雰囲気も良くおすすめです。ヘルシーな軽食から、地元ベルリンの郷土料理まで揃う、知る人ぞ知る穴場。

ベルリン名物のカリーヴルスト(カレーソーセージ)やレバー炒め、伝統的なお菓子でありながら見かけることの少ない「カルター・フント(冷たい犬という意味のチョコビスケット菓子)」などもスタンバイ。モダンで開放的な店内には、彩り豊かなサラダや温かいメイン料理、デザートまでおいしそうなメニューが並び、思わず心が躍ります。
★こちらの記事も参考にどうぞ>>ベルリンで味わいたい!郷土料理5選 |
ここでは好きなものを自分で選んで、最後にまとめてお会計するセルフスタイル。言葉の壁を気にせず、実物を見ながら指差しで選べるのが旅行者には嬉しいですね。
ベルリン大聖堂やジャンダルメン広場などの主要観光スポットからもすぐ近く、散策の合間の休憩にも最適なアドレスです。

明るい光に包まれた空間で、美味しい料理に舌鼓を打つひととき。それは、さっきまで展示室で向き合っていた世界の歴史や混沌と、いま目の前にある平和で穏やかな日常のありがたさ、そしてこの私たちが享受している「ふつうの暮らし」が、一瞬にして失われる可能性をはらんでいるということを、同時に噛みしめる時間でもありました。
クリスマスマーケットもおすすめ

フンボルト・フォーラムはクリスマスマーケットもとても素敵なんです。壮麗な建物に映し出されるプロジェクションマッピングは幻想的でロマンティック。まだ新しいせいかそれほど混んでいない穴場です。ぜひ足を運んでみてください。
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世界中を覆う不穏なニュースに心を痛めながらも、目の前のことをこなすのに精いっぱいで、モヤモヤがつのる今日この頃。
この世界をどう生きていくか。私たちに静かに問いかけてくれる場所が、ベルリンには数多くあります。
すぐに答えは出なくとも、ときどき立ち止まり、考え続けていきたいです。