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リューベックのクリスマスマーケット★名物マジパンやシーフードを堪能

今年も10都市以上を駆け抜けた、恒例のクリスマスマーケットめぐり。各地の見どころやグルメをお伝えしていきたいと思います。リューベックでは絶品のマジパンやシーフードをはじめ、他に類を見ないほどおいしいものが充実。年末まで開催しているところも多いのでまだ間に合いますよ!

世界遺産のハンザ都市、リューベック

ハンザ同盟都市特有のレンガ建築が並ぶリューベック旧市街

ドイツ北部、バルト海に面したリューベック(Lübeck)は、かつてハンザ同盟都市の盟主として栄えた港湾都市。レンガ造りの建築物が立ち並ぶ旧市街は「バルト海の女王」と呼ばれるほど美しく、世界遺産にも登録されています。

旧市街の入り口となる重厚なホルステン門、ユニークな建築様式の市庁舎、バッハも通ったマリエン教会、この街が輩出した3人のノーベル賞受賞者(トーマス・マン、ギュンター・グラス、ヴィリー・ブラント)ゆかりのスポットなど、見どころ満載の観光都市です。

そのうえマジパンやシーフードなど名物グルメも盛りだくさんで、食いしん坊にとってはたまらない町なのです。今回のクリスマスマーケットでは、新たなおいしい発見もありました!

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旧市街への入り口、ホルステン門もいつにも増して美しい

リューベックでは11もの多彩なクリスマスマーケットが開かれていて、旧市街全体がクリスマスの華やかな雰囲気に包まれています。
ひとつの街でいろんな雰囲気のクリスマスマーケットを楽しめるので、丸一日あっても足りないくらい。
それでは、それぞれの見どころをお伝えしていきましょう。

市庁舎前のクリスマスマーケット

ユニークな建築様式の市庁舎前で開かれるクリスマスマーケット

最も規模が大きいのは、市庁舎が建つマルクト広場の伝統的なクリスマスマーケット。リューベックの市庁舎は、黒レンガや緑色の塔、バルト海からの強風を通すための風穴、16世紀に増築された白いアーケード部分など様々な建築様式が混然一体となって、他に類を見ないユニークな建築物となっています。

この市庁舎を背景にしたマーケットは、ハンザ都市ならではの風情に満ちていて、北ドイツ随一の美しさ。陽が落ちると会場全体を流れ星のようなイルミネーションが包み、いっそう幻想的な雰囲気になります。

光のカーテンに包まれてうっとりするほどロマンチック

グリューワインや焼きソーセージなどおなじみの屋台グルメはもちろん、ローストアーモンドやムッツェン(北ドイツの屋台で定番の小さな揚げ菓子)、名物のマジパンなどスイーツも豊富で目移りしてしまいます。

クリスマス用品にくわえて地元の特産品や工芸品など、ギフト商品もバラエティに富んでいて質が高く、つい財布の紐がゆるんでしまいそう。さすがはハンザ商人の街ですね。

*2025年は12月30日まで開催

中世風のクリスマスマーケット

小規模ながら人気の素朴なクリスマスマーケット

マルクト広場のすぐそばにある聖マリエン教会の前では、中世を再現したクリスマスマーケットが開かれます。中世風の衣装をまとった人たちが、昔ながらの製法で作る素朴なパンやハチミツ酒は行列ができるほどの人気。人形劇や大道芸、中世の音楽のライブなど日替わりでショーも楽しめます。

*2025年は12月23日まで開催

教会の反対側の広場では、「おとぎの森」と題して、グリム童話の有名な場面を人形で表現した20の小屋が建っています。ドイツのクリスマスマーケットでよく見かけるこの手の展示。よく見るとちょっと怖い、ドイツ的メルヘンの世界をのぞいてみてください。

*2025年は12月30日まで開催

海のクリスマスマーケット

リューベック特製マジパングリューワイン!おいしい~!

かつて船乗りが集まったKobergと呼ばれる地区では、海をテーマにしたマーケットが開催。観覧車やメリーゴーラウンドのまわりに、網や木製の樽などを使って装飾された、海をイメージした屋台が並んでいます。

ここで「マジパンのグリューワイン」なるものを発見!どんな味なんだろうとわくわくしながら飲んでみると、アーモンドの香りがふわっと立ち上って、まさにマジパンを感じる味わい!これまでに味わったことのないおいしさでした。(おそらく)リューベックでしか味わえない、特別なグリューワイン。機会があればぜひぜひお試しください。

*2025年は12月29日までの開催

広場の向かいにある聖ヤコビ教会は、船員と漁師のために建てられた教会。この中でもグリューワインを販売しています。パイプオルガンの演奏が流れるなか、温かい雰囲気が漂っていてほっこりしました。

港のクリスマスマーケット

野外ステージのライブで大盛り上がり!

市民の憩いの場として人気のトラヴェ川沿いのドレーブリュッケン広場では、「ハーバーグロー」と題したクリスマスマーケットが開催。特設ステージでは、ロックにポップ、ジャズ、リューベック少年合唱団など、様々なジャンルの音楽ライブが楽しめます。

このマーケットで評判なのが、ホルンダーの花(エルダーフラワー)のグリューワインと、広場の向かいにある人気レストランが出している屋台のシーフードサンドイッチ。おしゃれでモダン、そしてもちろん味も抜群のグルメなサンドイッチなんです。

私はレストランの方で食事をしたのですが、人生で一番おいしくてボリュームのあるフィッシュ&チップスをいただきました。

*2025年は12月29日までの開催

老舗マジパン店のクリスマスバザール

マジパンの殿堂がクリスマス一色に

リューベック名物といえば、世界的に有名なマジパン。市庁舎前にある1806年創業のマジパン専門店「ニーダーエッガー」はマジパンのミュージアムやカフェも併設されているマジパンの殿堂として、リューベックを代表する観光スポットとなっています。

ここで開催されている「クリスマスバザール」も、この街のクリスマスマーケットのひとつに数えられています。店内に足をふみいれると、そこはまさにマジパンのクリスマスマーケット。300種類以上のマジパン菓子が並ぶ店内は圧巻で、テンションが上がってしまいます。クリスマスのオーナメントやくるみ割り人形など、ドイツ伝統のクリスマス用品も並んでとても華やかな雰囲気。

新鮮なマジパンのおいしさに驚愕するヌストルテ。飲み物はマジパンカプチーノでマジパン三昧

カフェでは、食べたらマジパンの概念が変わることうけあいの「ヌストルテ」は必食です。マジパンカプチーノと一緒にマジパン尽くしにするのもいいですね。この時期はクリスマスの焼き菓子やケーキなど、特別メニューもいただけますよ。

*2025年は12月31日まで開催

このほかにも、聖ペトリ教会や聖霊養老院(Heiligen-Geist-Hospital)で開かれる工芸品市など、多彩なクリスマスマーケットで賑わうリューベック。
年末の休暇にクリスマスマーケットに行きたい!という人には、ぜひおすすめしたい街です。
美しい旧市街を散策しながら楽しんでください。

★★★★★★★

2025年は、これが最後の記事になります。
今年も「美味しいドイツを伝え隊」をお読みいただき、どうもありがとうございました。
来年も引き続き、ドイツのおいしいものをお伝えしていきますので、よろしくお願いします!

どうぞみなさま、温かいクリスマスと、よいお年をお迎えください★

著者紹介

坪井由美子

日本では「食」に関する仕事に従事。商品開発やリサーチ、テレビ・ラジオへの情報提供及び出演、執筆などに携わる。テレビ東京『テレビチャンピオン・甘味王選手権』で3度優勝するなど食いしん坊ぶりを発揮。2003年よりドイツに拠点を移しフリーライターとして活動。旅や食文化、最新トレンドなどリアルなドイツ事情を新聞、雑誌、ウェブメディアで発信。 総合情報サイト「オールアバウト」ドイツガイド担当 / ドイツ発フリーペーパー「ドイツ・ニュースダイジェスト」で『食いしん坊のための簡単おいしいレシピ ~Locker! & Lecker!~』連載中/2020年秋『在欧手抜き料理帖』(まほろば社)出版

Blog : https://oishiisekai.com/

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